市民にとってのリビングルーム

2013年5月9日 15時01分 | カテゴリー: 活動報告

 連休の最終日の5月6日から翌7日、仙台市と塩竈市に行ってきました。鎌倉とは気温が平均して5度低い仙台はまだ少々肌寒く、塩竈桜という名で知られる、塩竈神社の薄紅の八重桜はまだ満開でした。

 仙台では以前から興味を持っていた「せんだいメディアテーク」を訪ねました。杜の都を代表するケヤキ並木、定禅寺通にそびえるメディアテークは、ガラスと鉄骨を多用していながら都会の「森」をイメージさせる建物、設計者の伊東豊雄さんは、東日本大震災の被災地で「みんなの家」プロジェクトを展開している建築家です。震災で施設の一部が破損しましたが、現在は全館再開しています。中心となる施設は2~4階を占める仙台市民図書館ですが、施設の名称のとおり、「美術や映像文化の活動拠点であると同時に、人々がさまざまなメディアを通じて自由に情報のやりとりを行ない使いこなせるようにお手伝いする公共施設」(同館HP抜粋)です。

 同館は、震災後間もなく、市民の手で震災と復興を記録し、発信・保存する「3がつ11にちを忘れないためにセンター」を開設しており、収集した映像は同センターのホームページでも見られます。また、震災を「対話」という営みをとおして語り直す場として「考えるテーブル てつがくカフェ」というイベントも回を重ねていて、5月6日には、その第21回として「震災を問い続けること」をテーマにした集いが持たれており、私も参加させてもらいました。

 前述の伊東豊雄さんは、同館が震災後に再開した時のイベントで「ここへ来ると、仙台でいま何が起こっているのかがわかる。言ってみればここが、文化のサロンというか、仙台市民の方にとってのリビングルームのようなものだと。そういう場所こそ、このような震災に遭ったときに大きな役割を果たし得るのではないか。」と話しています。

 今、財政状況が厳しい中で将来を見据えた公共施設のあり方が問われている鎌倉市。施設の複合化、多機能化の方向性が示されています。せんだいメディアテークのような大規模な施設である必要はありませんが、「ここに来ると鎌倉で今何が起こっているのかわかる、これから何をしようかというヒントが得られる、市民同士のつながりを作れる」という施設(運営面が重要)は、大変魅力的です。既存施設の活用も視野に入れ、考えていきたいと思います。