採算面でもメリットのあるバイオガス発電

2013年11月27日 01時22分 | カテゴリー: ごみ問題

長岡市の生ごみバイオガス発電センター
 11月26日、神奈川ネットワーク運動の「ごみプロジェクト」で、新潟県長岡市の生ごみバイオガス発電センターを日帰り視察しました。全国の生ごみ資源化施設の主流は堆肥化施設で、バイオガスを回収する施設は今のところ長岡市の施設を入れて4カ所しかありません。

ガスエンジン発電機の説明を受ける

 天然ガスの国内最大の産出地である長岡市は、天然ガスを活用した各種施策を推進するとともに、下水汚泥消化ガスの民間ガス会社への売却を全国に先駆けて行うなど、地域エネルギーや地域資源の活用に熱心に取組んできた自治体です。今年7月に本格稼働した生ごみバイオガス発電センターは、生ごみを微生物の働きで発酵・分解し、発生するバイオガス(メタン)で発電を行う施設で、1日65t(家庭系40t、事業系25t)という生ごみ処理量は、全国の自治体では最大規模。PFI事業として行われており、運営・維持管理は(株)長岡キューブが担っています。
 事業の効果としては、
・家庭系の燃やすごみの量が4割減少。燃やすごみの減少で、年間2千tもの二酸化炭素削減効果
・発生したバイオガスで年間410万キロワットの発電
・発酵残渣も民間のセメント工場などの燃料として売却して生ごみを100%利用
・ごみ焼却施設の統廃合、焼却灰埋立ての最終処分場の延命で15年間で35億円のコスト削減
などがあげられます。設計・建設費が19億円(うち8億8千万円が国からの補助)、運営・維持管理費が15年間で28億円という建設・維持管理のコスト面での優位性も見逃せません。さらに、生ごみの処理費用を概算すると1t当たり1万円程度。焼却+焼却灰処理の場合の費用と比べると大幅に少なくて済む計算です。

左・発酵槽、右・ガスホルダー

建設費は高く、技術的に不安定?
 
鎌倉市では、松尾市長が09年の初当選後、前市長が進めた生ごみと下水汚泥の混合処理によるバイオマスエネルギー回収施設の計画を撤回しました。理由は高額な建設費と技術的な困難さです。また、今年6月には、平塚市と大磯、二宮の1市2町で検討を進めている生ごみ資源化施設について、1市2町から調査委託を受けた社団法人地域環境資源センターが「全量焼却に比べ、収集・運搬費用、施設建設費、維持管理費、CO2削減効果のいずれでもメリットを見いだせない」という報告書をまとめました。
 これに対し、長岡市の施設は、施設建設費、維持管理費、CO2削減効果で優位性を示すこともあるのだと、いう例示となりそうです。
 見学する以前は、生ごみの組成の管理など、複雑な工程を要する施設ではないかと予想していたのですが、機械による不適物除去後に下水処理場から引いた水で希釈してドロドロの状態にし、後は微生物のパワーで発酵、バイオガス発生後に脱硫処理…という、意外なほどシンプルな処理工程でした。担当者の説明を聞いていても、故障やメンテナンスの手間への懸念はあまり感じられませんでした。

 長岡市の生ごみバイオガス発電センターは、信濃川に程近い全体で3万㎡という広い敷地に、ごみ焼却施設や下水処理場に隣接するように配置されていて、それらの施設と機能的に補完しあえる好条件のもとにあります。鎌倉市でも同じような条件で…というのは、そんなに単純な話ではありません。しかし、技術革新は日々行なわれており、ゴミ処理施策の選択肢は広い視野に立って探した方がよい、と実感した見学となりました。