身近にある危機―核燃料工場

2013年12月15日 12時27分 | カテゴリー: 情報公開

核燃料工場から国内原発への搬出情報の非公開理由は?
 
横須賀市内川(横須賀線久里浜駅近く)に(株)グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン(以下GNFJ)の工場があります。GNFJは、原子力発電所向けの燃料製造会社(日立、東芝、米国のGE社との合弁)です。米国のGNF‐Aなどから海路調達した二酸化ウラン粉末を成型加工し、セラミックス形態となった原子燃料を金属管に収めて燃料棒を作り、それを複数束ねた燃料集合体を「製品」として国内の発電所に納める業務を行っています。
 12月12日、神奈川県に情報公開請求していた文書が郵送で届きました。文書の内容は、「①GNFJと神奈川県との安全確保に関する協定書 ②この協定に基づいてGNFJが県に対して行った核燃料物質の運搬に関する報告(2010年1月以降直近まで)」です。請求をしたのは9月27日ですが、第三者情報が含まれるため決定期間延長となり公開までに2ヵ月以上を要しました。
 私が以前に鎌倉市に対して行った情報公開請求で、市内の携帯電話中継基地局の設置場所情報について非公開とされた際、非公開の理由として、「情報公開条例6条5号(犯罪の予防等に関する情報)該当」があげられたことがあります(携帯電話の中継基地局は街中で目視で確認できるのに、自分の名前を出す情報公開請求を行った上で基地局を攻撃する人がいるでしょうか?常識で判断したらありえない非公開理由)。
 一般に6条5号該当の事例は稀です。特定秘密保護法の成立の影響を受けて、秘密指定とは関係ない情報まで公開が難しくなるようなことがあってはなりません。福島第一原発の事故の前後でGNFJから全国の原発に核燃料が搬出される回数にどう変化があったか知りたいとも思っていたので、取りあえず現時点でどのような公開のされ方になるか確認を試みた次第です。

 結果は、①「協定書」は全部公開、②「運搬報告」は部長名とその印影を除くと次の箇所がカッコ内の理由で非公開でした。
発送元、数量、運送方法のうち台数および数量累計
(県条例5条2号該当 法人等に関する情報のうち、営業活動の内容に関する情報に該当するため)
工場発時間、工場着日時及び運送経路
(県条例5条7号該当 法令等の規定による情報に該当するため 
      関係法令:核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律)
 先にあげた鎌倉市条例の6条5号に相当するのは、県情報公開条例だと6条6号( 公開することにより、犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると実施機関が認めることにつき相当の理由がある情報)ですが、6号をあげる必要はない、という結果でした。

福島第一の事故の前は月1回超ベースで行われていた燃料搬出
 さて、公開(一部公開)された結果について、簡略に報告しておきたいと思います。

 GNFJから国内の原発に核燃料集合体が搬出された件数は、2010年(但し1~3月分は文書保存期間経過による廃棄で含まれず)11回、11年6回、12年2回、13年0回(9月末現在)でした。ウラン粉末がGNFJに搬入された件数は、2010年(同上)17回、11年7回、12年4回、13年3回(9月末現在)です。福島第一原発の事故の前の年間件数を月毎にならすと、1ヶ月に1回以上の頻度でGNFJから国内各地の原発に搬出されていたと考えてよいでしょう(公開文書を見ると、2010年11月にはひと月で3回も搬出されています)。

 なお、搬入・搬出の数量は、搬出した各回の核燃料集合体の本数は公開(最少回12体、最多回360体)でしたが、それ以外は非公開でした。但し、年間入荷量累計、出荷量累計は、神奈川県のホームページの神奈川県環境放射線監視委員会の会議録で把握することができます。これによれば、出荷量累計は、2010年346トン、11年151トン、12年20トンです。