鎌倉市の新副市長と世界遺産登録推進

2014年3月29日 02時42分 | カテゴリー: まちづくり

副市長人事議案可決  天下り批判もありますが…
 3月28日、鎌倉市議会2月定例会が閉会しました。平成26年度一般会計予算は、家庭系ごみ収集を有料化する廃棄物条例改正案の撤回により有料化に係る歳入・歳出を削除した「訂正予算案」が、賛成多数で可決されました。

 また、3月末で国交省に戻る大谷雅実副市長の退任に伴う新副市長の人事議が示され、賛成多数で同意しました。4月から副市長になる小林昭氏は、国交省OBです。小林昭 新副市長 経歴
 議会の一部は、天下りであるとしてこの人事案に反対しましたが、神奈川ネットは、
①国交省出身ということだけでは反対の理由にならない。2人の副市長のうちの1人が市職員生え抜きなので、もう1人は外部の空気を吹き込む人の方が望ましい 
②国交省でも景観保全の分野を歩いてこられたということなので、世界遺産登録取り下げ後のまちづくりが大きな課題となっている鎌倉市にとっては、ふさわしい人材と言える…等の理由で賛成しました。
  景観保全の分野、と書きましたが、2008年に「歴史まちづくり法」(※)ができた時、国交省で実務を取り仕切ったのが小林氏であったとのことです。(※)http://www.mlit.go.jp/common/001025232.pdf

歴史的遺産と共生するまちづくり
 副市長人事の話はひとまず置きます。新年度、市の組織「世界遺産登録推進担当」は「歴史まちづくり推進担当」に名称変更します。新年度予算では、歴史的遺産と共生するまちづくりの予算として、812万円が計上されています。「鎌倉の貴重な歴史的遺産を守り市民生活と調和したまちづくりを進めるため、歴史まちづくり法に基づく計画の策定に向けた検討を行います。また、歴史的遺産と共生するまちづくりを推進するため、国・県などと連携し、世界文化遺産への登録に向けた取り組みを進めます」とのことです。
 
 さて、その812万円のうち471万8千円が、「神奈川県、横浜市、鎌倉市、逗子市世界遺産登録推進委員会」の負担金に当てられます2013年度の4県市推進委員会の負担金は、ユネスコ世界遺産委員会プノンペン会議への参加経費があったので921万円(推薦取下げで会議不参加となり、旅費は不要に)でしたが、それ以前に多額の経費をかけてきたのは、ユネスコ世界遺産センターに提出する推薦書案の作成でした。専門家を動員したからです。しかし、推薦書の作成などまだずっと先の話の2014年度において500万円の予算が計上されているのは不可解です。
 そこで先の予算審査特別委員会(3月11日)で質したところ、市の方針が以下ようなものであることがわかりました。

世界遺産登録に向けての新たなコンセプト構築に当たっては慎重に取組む。必要なのは、鎌倉の社寺や史跡等の世界的な視点からみての際立った価値を見出していくことで、そのために比較研究を行う有識者・専門家の検討委員会を立ち上げる。
これまでの文献研究だけでは不十分で、海外の「比較先」に直接専門家チームを派遣し、世界遺産の資産やバッファゾーンの調査に当たらせる。派遣地の候補としては、アンコールワット(カンボジア)や古代高句麗王国の首都と古墳(中国吉林省・遼寧省)などがある。
こうした取組みに4県市で1100万円を拠出するうち、鎌倉市が500万円弱を負担する。

 この答弁を聞いて、私はかなり性急な動きであるとの印象を持ちました。
良好な住環境と自然環境に歴史的な遺産が共存するまちづくりを「両輪」として進めていく。むしろ、良好な住環境と自然環境を求めて進んで行く先に、世界遺産として内外に示せるまちづくりが見えてきたら、その時に登録推進を具体化させる
― そのようなゆったり構えた動きでもよいのではないでしょうか。

 新副市長の所感もいずれ伺ってみたいと思います!