土砂災害に備える

2015年1月21日 01時31分 | カテゴリー: 防災

規矩教授(左)と手話通訳

地盤防災工学の専門家は市の防災アドバイザー
 

 120日、鎌倉市主催の防災のつどいが開催されました。関東学院大学学長、規矩大義(きくひろよし)教授の「土砂災害に備える」と題した講演です。自主防災組織連合会の共催でもあり、地域防災に取組む市民が80名以上も参加されていました。
 
規矩先生は、鎌倉市が委嘱している3人の防災・危機管理アドバイザーのお一人で、がけ地・液状化対策を担われています。がけ崩れ、土石流、地すべりといった斜面防災についてのお話でしたが、地盤防災工学の専門家の立場で、そもそも地面、土、岩は土粒子という「粒」の集合体であり、地盤(土)は外からの力によって様々に変化する不安定なものだと認識してほしい、というところから説き起こされていました。
 
また、土砂災害の発生に大きな影響を及ぼすのが水であること、土石流は谷筋などの集水地形のところで起こり、地形が大変動しない限り繰り返す(しかし、植林などがされると過去の土石流の跡がわからなくなる)、土砂災害は盛土や切土、造成地などの人工斜面で起こる頻度が高いことを強調されていました。

斜面地の危険度判定、日頃の観察
 
鎌倉市内では、414箇所が県によって土砂災害警戒区域に指定されていますが、これは、傾斜地の形態(傾斜度が30度以上で高さが5m以上等)に着目して一律に指定されたものです。区域指定が、即がけ崩れの危険性を示していることでも、指定区域外だからがけ崩れの危険がないということでもありません。住まいが斜面地周辺にある場合は、日頃周辺の地形をよく観察し、変化に気を配ることが必要です。もし危険度が増すような変化が認められたら、大雨・長雨などの際の避難のレベルをあげること、土砂崩れの際には縦方向に下に逃げても間に合わないので、水平移動で逃げられないかシミュレーションをしておくことが大切であるとも話されていました。
 
新聞報道によれば、横浜市は土砂災害警戒区域の崖の危険度判定を急ぎ、必要な箇所に優先順位を付けて防護対策を施していくとのことです。鎌倉市においても、防災・危機管理アドバイザーの指導のもと、危険個所の把握に積極的に取り組むことを期待しますが、同時に住民みずからの日頃の点検と備えも必要です。今日のつどいでは、参加者から、地域で力を合わせてやっていこう、との声があがりました。

やっぱり必要な人工斜面の調査
 
これまで議会の一般質問で、市内の大規模盛土造成地の実態把握の調査の必要性を指摘してきました。今回の講演でも人工斜面の脆弱さへの注意喚起が印象的でした。