横浜のNPOの活動から学ぶ空家問題への取組み

2015年7月23日 19時18分 | カテゴリー: まちづくり

横浜市と連携してまちづくり事業を展開するNPO法人
 
7月22日、神奈川ネットワーク運動主催で「空き家問題及びその利活用について」と題した学習会があり、ネット鎌倉のメンバーも5名参加しました。講師は、市民による自発的なまちづくりの支援を目的とする専門家による組織、NPO法人「横浜プランナーズネットワーク」(横プラ)の内海宏氏です。横浜をフィールドにした空き家の現状分析と、横浜市の取組み、横プラが支援したり情報収集した空き家の利活用事例の紹介など、多岐にわたる内容でした。
 
今年5月に全面施行となった空家対策特別措置法は、放置しておくと倒壊したり、衛生上問題があったりする危険な空家を「特定空家」と位置づけ、市町村が所有者に撤去勧告、命令などを出すことができるようにし、所有者には家屋の適切な管理を求め、自治体には空家等の調査とデータベースの整備、対策計画の策定、空家の有効活用などを求めたものです。

住宅政策の不在>空家問題の放置
 
特定空家に指定される可能性のある空家は、全国で820万戸と推定される空家のごく一部です。また、地域福祉の拠点や多世代にわたる地域住民等交流・活動拠点など利活用できる空家も、全体から見れば一部にとどまるでしょう。
 
大きな視点で見れば、空家問題だけをクローズアップするのではなく、人口減少社会における住宅政策を国が打ち出すべきなのです。
 まち・ひと・しごと創生で自治体に人口ビジョンの策定を求め、「移住」策を後押ししていますが、国が果たすべき役割(住宅政策のビジョンの提示)を果たしていないのでは、自治体が実効性のある施策を打ち出すのは難しいと思われます。不動産市場の構造改革や、高齢化が進み空家が目立つエリア(や集合住宅)の再開発のための新たな法整備、コンパクトシティ化を進める自治体への支援、住む家がない人への福祉的視点での住宅の提供施策などが行われなければ、空家問題も解決しません。

横浜市は総合的な空家対策を視野に?
 自治体に目を移すと、横浜市が今年3月、不動産、法務、建築、NPO法人の専門家団体との間で、連携・協力に関する「空家等対策に関する協定」を締結したのは、総合的な空家対策を視野に入れている点で参考になります。空家の所有者が抱える課題にあった各分野の専門家が相談に応じられるようにするための協定で、空家等の所有者への啓発、中古住宅としての流通・活用促進、管理不全の防止や空家等の跡地の活用を柱とした対策の推進を目指したものです。横プラも協定の締結先の一つで、「地域活動や行政サービスを目的とした空き家の活用」の分野を担っているとのことです。 

 空家の福祉・地域貢献型事業への転用等の利活用は、空家問題への対処としてはその一端に過ぎません。しかし、世田谷まちづくりトラストの取組みを紹介した際にも書きましたが、様々な事例が示されることは、空家問題全体を考える上でのヒントになると感じています。