鎌倉市の中学校教科書採択―歴史・公民は帝国書院に

2015年8月4日 18時55分 | カテゴリー: 教育・こども

傍聴者が詰めかけた臨時会
 
84日午前中、鎌倉市教育委員会8月臨時会が開催され、市立中学校で来春から使用する教科書の選定・採択が行われました。会場となった市役所第3分庁講堂の傍聴定員は160名。私が手にした傍聴者配付資料の通し番号は130番台で、後から次々と来場者がありましたから、ほぼ定員の傍聴者が詰めかけて協議、採択を見守ったことになります。傍聴者の注目の的は、729日に藤沢市教委が育鵬社版を採択している歴史と公民の教科書でしたが、鎌倉市教委は帝国書院版を選びました。

教育委員の評価はほぼ一致
 会議では、教科用図書採択検討委員会(教育委員会が、学校長、教員、保護者等14人以内を委員に委嘱)による調査・検討結果を踏まえて、5名の教育委員が教科ごとに協議を進めました。
 歴史教科書では、検討委員会が☆3つを付けた帝国書院版が全委員から高く評価されました。一方、公民では、検討委員会が、「コンビニエンスストアの経営者になってみよう」という構成で現代社会の仕組み等を考えさせることを試みた東京書籍版に☆3つを付けたのに対し、委員から「広い視野に立った記載が評価できる」などの意見が出た帝国書院版(☆2つ)が最終的に選ばれました。
 検討委員会の評価が歴史・公民ともに☆1つであった育鵬社版、自由社版は、委員からも部分的に言及されるにとどまりました。歴史教科書については、世界史の中で日本の歩みを記述した学び舎版や「証言から見えてくる戦争」という記述を設けた清水書院版の姿勢を評価する意見も出て、各教科書を読み込んだ上でバランス感覚のある協議がなされた印象でした。

学校現場の声を反映した教科書を子どもたちに~首長の政治介入は不可
 明日85日は、全国最多の147校で使用する教科書を採択する横浜市教育委員会が開かれます。同市教委は、2009年、2011年の教科書採択において教科書取扱審議会(鎌倉市の検討委員会に相当)の答申で評価が低かった教科書を選んでいます。自らの政治信条に適う教育委員を任命した中田宏前市長によって選ばれた委員は、交代により現在6人中1名となりましたが、林現市長が2期目の選挙に際し特定の政党と教科書採択で政策協定を結んだ影響が出るのかどうかが気になるところです。
 各分野における学説の趨勢から逸脱しない内容であるとともに、現場の先生が使いやすいと受けとめる教科書が選ばれることが子どもにとっての利益です。2015年から全国の自治体で首長をトップにした総合教育会議の制度がスタートしましたが、首長の政治信条が教育方針に反映されることがあってはダメです。