ふるさと寄付金について考える(その2-税控除分をかぶるのはどこ?)

2015年10月25日 17時18分 | カテゴリー: 行財政改革

寄付者の住む自治体の収入減と国庫負担

 ふるさと寄付金の税控除は次のようになっています。(総務省HPより転載)

ふるさと納税(寄附金)全体に対する、控除額内訳の表。自己負担額2,000円を引いた残りが控除額となり、さらに控除額は①所得税からの控除と住民税控除にわかれます。所得税からの控除は、ふるさと納税を行った年の所得税から控除されます。住民税控除は②住民税からの控除(基本分)と③住民税からの控除(特例分)の合算で、ふるさと納税を行った翌年度の住民税から控除されます。

 

  年収700万円の給与所得者で扶養家族が配偶者のみの場合、30,000円をふるさと寄付金で寄付すると、2,000円を超える部分である28,000円(30,000円-2,000円)が所得税と住民税から控除されます(年収1000万円の人が15万円寄付しても2000円を超える部分は全額控除)。

多くの自治体が寄付額の30%~50%の返礼品を贈る仕組みを作っている現状では、
寄付をした人3万円を寄付しても、実質負担は2,000円。さらに1万円相当の返礼品を受取る。
国と寄付者の居住自治体28,000円の税控除を行う。負担内訳は、所得税の控除を通じて国が5,600円負担し、住民税の控除を通じて寄付者の居住自治体(市、都道府県)が残りの22,400円を負担。
寄付受入れ自治体…返礼品の1万円とプラスα(送料、事務経費など)のコストで3万円の寄付収入(実際の収入増はコストを差引くと寄付額の約5割が一般的)。

 要は、国と地方の「全体」で見てみると、この制度の下での税収アップは1件あたり2000円に過ぎませんが、国の見方では「頑張った自治体の取り分が多くなるし、地域産業・商業振興になるから良い制度なのだ」ということになります。
 
ちなみに、自分の住む自治体に寄付した場合は、市民税の税額控除が居住自治体に生じるので、寄付を受けたことによる増収は、国の所得税と県民税の控除分から返礼品と送料・事務経費を差引いた額にとどまります(そのため、鎌倉市は市内居住の方からの寄付に対しては、返礼を1万円以上ではなく3万円以上に設定しています)。