鎌倉市本庁舎整備方針策定委員会の提言も「移転」

2017年3月10日 00時25分 | カテゴリー: 公共施設再編, 活動報告

鎌倉市役所の整備問題について2月15日付で記事を書いてから3週間が経ってしまいました。
この間、鎌倉市役所本庁舎整備方針(素案)に対する意見募集(パブコメ)が2月22日をもって終了し、24日の市議会総務常任委員会で検討状況についての報告がありました。

そして、本日3月9日(木)、第5回鎌倉市庁舎整備方針策定委員会(委員長 国吉直行・横浜市大特別契約教授)が開催され、同委員会の「本庁舎整備方針(提言)」が確定しました。
傍聴者は、定員5名のところ希望者多数で11名に枠が広げられ、メディアによる撮影も入りましたが、委員会そのものは1時間程で閉会しました。

所管課からは、パブコメの結果についての報告がありました。
素案が「提言」になる過程で修正が施されたのは、12月27日開催の第4回委員会で出た意見を反映した箇所で、現在の本庁舎の敷地の諸条件についての内容追加などです。
しかし、51通寄せられたパブコメによって修正がされた箇所はなかったとのことです。

パブコメでは移転方針に賛否拮抗
51通の地域別の内訳は、鎌倉地域16通(31%)、ついで大船地域15通(29%)、深沢地域9通(18%)…と続きます。
1人の人が複数の意見を寄せているので、意見数は71件とカウントされています。そのうち、移転への賛否が書かれている意見はザッと見て42件で、移転賛成22件、反対20件と拮抗していました。
何より問題なのは、市民生活に大きく影響する事柄であるにもかかわらず、51通しか意見が寄せられなかったことです。

その中から、気になった意見をごく一部抜粋して紹介します。
津波対策は100年周期程度の地震と1000年周期程度の地震とを分けて考えるべき。
人口減少が進む中、計画全体を小規模なものに変更することを求めます。
まとめ方が、移転・新築ありきで、最初から誘導している。
現在地での建替えに対する検証が不十分であるように感じる
家族を含め、周辺の市民は市庁舎が移転するかもしれない問題を知りませんでした。

 策定委員会で強調された「まちづくり」の視点
委員会配付資料にあった第4回委員会の議事要旨を見て、委員の中にも戸惑いを口にされている方がいらっしゃるんだな、と思いました。
例えば、「(整備候補地を)深沢地域とするならば(中略)そこでの建設が現実的なのかを明確にしなければならない」、「移転先が確定していなかったり、移転するとしても(現在地に)どの機能を残すのかも絞れなかったりする状態で各パターンのコストが整理されている」などです。

そして、本日の協議の中でも、ただ移転という方針を結論として出せばよいというものではない、という指摘があったのが印象的でした。
委員の間では、まちづくりの視点で全体を捉えること、移転になった場合の現在の本庁舎の跡地のシンボル性や有効活用を併せてみていくことへの関心が高いことがわかりました。

また、素案の段階で、移転の必要性を説く中で強調された「災害時の受援力」(発災時に遠隔地からの支援を受け入れる能力)の考え方も、委員会の中で後付けで浮上してきたもののようです。市庁舎整備方針策定委員会は5回の開催で提言を確定して役割を了しましたが、「もう少し議論してもよかった」という出席委員の意見に同感です。