手放しでは歓迎できないプレミアム商品券

2019年7月25日 02時17分 | カテゴリー: 活動報告

広報かまくら7月15日号や市のホームページに案内記事が載っていますが、鎌倉市では10月の消費税率引き上げにあわせて2種類のプレミアム付き商品券を発行します。
6月議会には関連の補正予算が提案され、観光厚生常任委員会と総務常任委員会で審査されました。(写真は総務常任委員会)
2019.6定 総務常任委員会のサムネイル

プレミアム付商品券:国の補助金で、全国一斉に
ひとつは、国が「消費税率引き上げによる影響の緩和」をうたって全国の自治体に補助金を出して発行させる「プレミアム付商品券」です。
商品券を購入できるのは、住民税非課税の人と3歳半未満の子どもがいる子育て世帯です。

1冊4千円で5千円分使える商品券(プレミアム率25%)を1人5冊まで購入できます。
購入には市から送付される購入引換券と本人確認書類が必要です(購入を希望する非課税の方は、事前申請により購入引換券が送付されますが、子育て世帯は事前申請不要です)。
鎌倉市は全部で16万冊(発行額8億円、販売総額6億4千万円)を発行します。

10月の販売開始に向け、市役所敷地内にプレハブの商品券販売所が設置されました。
リースにして販売終了後に解体すれば全額国の補助金(=単年度事業)で賄われましたが、市は買取りにし、商品券販売終了後も建物が残るため、プレハブ整備費約1,341万円のうちの471万円は市の持出しとなりました。無駄な出費とならないよう、来年度以降有効に活用されることを求めます。

プレミアム付き商品券販売用プレハブ

商品券を購入する市民の利便性を考えれば、市内複数箇所で販売されてしかるべきだったでしょう。
その一方で、国が有無を言わせず押し付けてきた事業とは言え、1世帯に上限5千円のプレミアム(該当する子どもが2人いる場合は上限1万円)を提供するための多額の経費と複雑な手間を考えるとため息が出ます。

 

かまくらプレミアム商品券:全市民 対象、ただし抽選
鎌倉市は、別途「かまくらプレミアム商品券」も発行します。
国庫補助ゼロの市の単独事業で、1冊1万円で1万1千円分使える商品券(プレミアム率10%)を、申込んで抽選に当たった市民が1人5冊まで購入できます。

市は、商工会議所と共に、8%消費増税前の2013年からプレミアム商品券を計3回発行する計画を立てました。
今回がその3回目で、計画に沿った発行なのだと説明しています。
しかし、総務常任委員会で質問したところ、自治体単独事業で商品券を発行するのは、県内では鎌倉市と海老名市のみであることがわかりました。

1冊につき千円のプレミアム計4万冊分の4千万円は、市が拠出します。
商品券の印刷・発行費用など諸々の事務経費は、商工会議所が負担し、商工会議所は、商品券取り扱い店舗からの登録料2千円と、商品券換金時に1枚千円につき8円の手数料を取って経費を賄います(4万冊=44万枚全部換金されると手数料は352万円)。

 

効果の検証を !
増税時の市民の負担感の軽減と買い控えの緩和に若干寄与したとしても、効果は一時的です。
抽選に外れた市民には却って「損をした」感が残ってしまうかもしれません。
また、過去に同様のプレミアム商品券が発行された時から「生活必需品の購入に充てられ、消費喚起にはつながらない」という指摘も根強くあります。

繰り返しますが、知る限りでは県内では鎌倉市と海老名市のみの発行です。
客観的な効果の検証は難しい(そこが問題でもある)のですが、単に「商品券がこれだけ買われた、使われた」だけでなく、商品券を取り扱った店舗の声を聴取するなどの事業点検、効果の検証を行うべきでしょう。