深沢地区まちづくり方針実現化について、何が議論されているのか

2019年8月3日 18時49分 | カテゴリー: 活動報告

第4回鎌倉市深沢地区まちづくり方針実現化検討委員会が、7月29日に旧大船駅周辺事務所会議室で開催されたので傍聴しました。
先頃就任した加治慶光・深沢地域整備事業推進参与も出席でした。

検討委員会は、松尾市長の諮問を受けて2018年10月に設置され、
≪まちづくりのコンセプトの具体化の検討≫
≪2016年10月に策定された修正土地利用計画(案)の再点検≫
を行っています。

7月1日には市長あて「鎌倉市深沢地区まちづくり方針実現化に向けた検討(中間答申)」を提出しています。

「修正土地利用計画案」再点検の検討例1,2(中間答申から抜粋)

傍聴した第4回検討委員会では、冒頭、市長が7月1日に中間答申を受け取ったことの報告がありました。
中間答申には、深沢地域の「ウェルネス」のまちづくりの具体的な方向性として「まちの将来像3つの視点」が示されています(「図表」参照)。

HP記事2019.8.3 図表 深沢地区まちづくり実現化委員会のサムネイル

<図表>まちづくりの方向性(作表は保坂)

 

「バイキングのメニューみたい…」との発言も出た委員会
第4回検討委員会では、
(1) 「まちの将来像3つの視点」における取り組みの方向性と実現化メニュー
(2) まちづくりの推進体制
(3)  9月に実施するサウンディング調査(対話)※
についての審議が行われました。
サウンディング調査は、深沢地区まちづくり事業の実施主体となる意向を持っている民間事業者等との「対話」を通し、
上記(1)に対する評価と新しいアイデア、(2)への関わり方などについて聞き取るものです。
最大で40社程度の参加を見込んでいるとのことです。

出席の7人の委員からは、多様な意見が活発に出されました(マイク設備がなく、端の方の傍聴席に座ったこともあって、発言が聞きとりにくかったのは残念でした)。
どこまで把握できたかわかりませんが、出された意見(問題意識)や、それに対する市側の発言は、大きくとらえると次の1)2)のような感じではないかと思いました。

1)実現化施策が数多く掲げられていることについて
取り組みの方向性/実現化メニュー/実現化メニューの具体的内容(例示)という3階層が示されているが、どこから持ってきたものなのか。

バイキングのメニューみたいにあれもこれもと示されていて、『もう少し海老フライを加えたらどうですか』みたいな話になるのは如何なものか(感心しない)。
大きな話が先にあった上でのパーツの議論であるべき。

具体のプレイヤー(まちづくりに参画する民間事業者等)が出てきて具体の内容が決まる。
それまでの検討作業を進める上では3つの柱(3つの視点⇒実現化)がわかりやすく示されることが大切だ。

実現化メニューとその具体的な内容を多く記しているが、そのうち何を残すかという濃淡は今後おのずと出てくるので、現段階ではある程度数多く挙げておく必要がある。

2)市はどこまでイニシアティブを取るのか
まちづくり推進体制についての辻堂や柏市などの他地区事例を見ても、どこまで行政がやった上で民間にバトンタッチするのかを見極めることが重要だと考える。

深沢地区は、市有地に比べ民有地の占める割合が大きく、全体の「見取り図」の作り手が要る。

シビック街区は市が整備する。それ以外で市がイニシアティブをとって行うことを大きく捉えて言えば、まちづくりガイドラインなどの「まちづくりのルールブックづくり」ということになる。市のイニシアティブのもと、事業推進の段階に応じた委員会を組織して進めていく。

 

個人的に興味深かった意見
上記の意見のほかに、耳をそばだてた意見としては、次のようなものがあります。
「まちの将来像」は、政府が唱えているソサエティ5.0を意識したまちづくりの追求になっているが、現実離れとは言えないか。
(私には、このような趣旨の発言のように聞こえました。文末「余談その2」参照)

まちづくりのプレイヤーとしてエネルギー関連を呼び込むことで、まちづくりの可能性が広がること期待している。

パブリックの本庁舎が先にできて、その後民間が入ってくるというプロセスを生かす。民間投資を呼び込めるような進め方をする。

この3番目の意見については、前後関係がわかるようにメモを取ってはいませんでした。
しかし、委員会が終わって、傍聴の方が「結局、深沢地域整備事業のための市役所移転、市役所移転頼みの深沢地域整備事業ということなんだな」と嘆息されていたのには、頷かざるを得ません。

今年4~6月深沢地域事業用地には、サーカスの興業が誘致されていた

 

【 参 考 】
中間答申
https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kyoten/documents/tyuukanntousinn.pdf
これを受け、深沢地域整備課は「深沢まちづくりニュース第37号」を発行しています。
◆深沢まちづくりニュース第37号
https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kyoten/documents/news37.pdf

 

余談その1 陳情賛否
6月議会にかかった陳情第3号「深沢地域の新しいまちづくりの早期実施についての陳情」は、本会議で賛成13、反対9で採択されました。
神奈川ネットでは、安立議員が賛成、保坂が反対の表決をしました。

深沢地域整備事業は、鎌倉市が1996年に国鉄清算事業団用地の取得を始めてから既に23年が経過している事業であり、このままさらに長きにわたって空き地の状態が続くことも、事業が途中で頓挫してしまうことも、市の行財政にとっては克服しがたい痛手となり、許されるものではありません。
しかし、現在示されている事業の流れ以上にスケジュールを早めることは実質的には不可能です。
踏むべきステップを端折って拙速に進めるべきではありませんし、市役所が移転した場合の御成町の現在地の整備構想が示されない中で、「早期実施を」と促すことには到底賛成できませんでした。

余談その2 バズワード(buzzword)
「ソサエティ5.0、現実と距離がある云々」の委員発言が気になったので、配付資料(前回の検討委員会の「委員意見整理表」)を調べてみたところ、
「3つの拠点や広域的なまちづくり・新駅整備との連携強化などは鎌倉らしさにつながっているが、SDGs、Society5.0、スーパーシティはバズワードになっていて…」
という意見が紹介されていました。
今回と前回が同じ委員の発言かどうかわかりませんが、よくぞ指摘してくださったと思います。

バズワードとは、「主にIT関連業界に見られる流行語で、何か新しい重要な概念を表しているようだが、その実、明確な定義や範囲が定まっておらず、人によって思い浮かべる内容がバラバラであったり、あるいは宣伝文句的に都合よく引用されるような新語や造語、フレーズのこと」
ーなのだそうです。

バズワードという言葉は、これまで私の語彙にはありませんでしたが、これで常々感じている違和感を定義することができるようになりました。
バズワードがもてはやされる鎌倉市政。バズワードが飛び交う議会…。