これからどうなる?新ガイドライン

 429日、鎌倉市と鎌倉平和推進実行委員会主催の「憲法記念日のつどい」が、鎌倉生涯学習センターホールで開催されました。「これからどうなる日本」と題するピーター・フランクルさんの講演です。昨年の高橋源一郎さんの講演のような超満員には至りませんでしたが、数学クイズと大道芸を交えた、知名度のあるフランクルさんの講演で、参加者は小学生も含め200人を超えたようです。
 お話は平易な言葉づかいでしたが、その分メッセージが直に伝わってきました。自国中心ではなく近現代史を見ることの大切さ、強まりつつある歴史修正主義的な動きへの警戒が軽妙に語られました。また、VIRTUALな(仮想の)ものがREALなものを侵食する現代にあって、REALな世界で幸せになるには、自分と自分の周りにいる人を大切にし、双方向の関係を築くこと、他の人に興味を持って聞き上手になることが大事、という指摘は、人間関係のみならず国同士の関係も念頭において話されているようでした。そして、もっとも強調されたのは、一人ひとりが自分の人生の主人公、日本の主役は国民一人ひとりということでした。 

 今、この記事を書いている間、TVでは日本の首相が嬉々として米国議会で演説をしている様子が生中継されています。この演説に先立ち、日米の外務・防衛の閣僚協議がニューヨークで開かれ、日本時間の28日未明、18年ぶりの改定となる、新たな「日米防衛協力の指針」(ガイドライン)を決定しました。海洋進出を活発化させている中国を念頭に島しょ防衛での協力を明記、日本が集団的自衛権を使うことを盛り込み、米軍への後方支援については地理的制限を撤廃したものです。
 実は、
フランクルさんの講演で一番ドキッとしたのは、30余年前に自分が日本に来たときは、日本はどこの国とも仲よくやっている国だった、というさりげない一言でした。非常に厳しい転換点に立っていることを強く感じます。国家が主役の国に歴史を逆行させてはなりません。