台風15号による停電軒数が県内最多となった鎌倉市
記録的暴風雨となって首都圏を直撃した台風15号。
9月9日の夜明けから時間が経つほどに倒木、土砂崩れ、建造物の破損・倒壊、そして広範囲な停電の状況が明らかになっていきました。
鎌倉市では、9日朝には東京電力の発表で11,200軒が停電。
10日夜には、神奈川県の停電軒数は千葉県についで多い15,300軒でしたが、そのうち鎌倉市が最多の7,200軒でした。
11日の昼過ぎには、浄明寺4丁目の停電が解消し、同16時には二階堂の400軒ほか1,300軒にまで復旧、同夜、市内の停電は個別の断線等を除いて解消されました。
2日、3日にわたって停電が続いた地域の方たちは、暑いさなか、本当に大変な思いをされたこととお察し致します。復旧の見通しなどの情報が伝わらなかったことは申し訳ない限りでした。
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この間、鎌倉市が東電から受けた連絡は、9日の段階では「復旧の見込みが立たない」でしたが、10日の朝の段階では「今日中の復旧を目指して作業している」というものでした。
また、東電のホームページの停電情報には、「玉縄1丁目」「雪ノ下1丁目」といった細かい区分で停電軒数が示されており、鎌倉市災害対策本部の停電状況の把握も、このホームページによるものでしたが、実態と合致しない、あるいは更新が遅れる部分がありました。
もう少ししたら復旧するのではないか、という希望的観測による対処ではいけない、停電地域で熱中症等の危険が迫っている、ということが実感されて、冷房を備えた避難スペース(休憩所)の開放や広報車の巡回などに拍車がかかったのは10日になってからでした。
県内最多の停電発生の背景は?
1万軒を超える停電が発生した原因については、今後分析がされることと思いますが、台風の通過ルートに加え、樹林の枝折れ・倒木、倒木を伴う土砂崩れが多数起きたことが決定的だったと思います。
樹林および急傾斜地の管理については、鎌倉市では喫緊の課題と捉えられてきていますが、今回改めて課題の大きさを突きつけられました。
恐ろしいのは長雨による土壌の緩みだけではありませんでした。暴風の威力を目の当たりにしました(我が家のマンションのオートゲートも暴風で壊れました)。
情報収集・伝達の仕組みづくりが求められる
議会には市の災害対策本部会議の開催状況が逐次伝えられました。また、停電が長引いたエリアの方からも停電期間の様子を伺いました。
大変問題だと思ったのは、市内の各地域の状況の情報が災害対策本部に集まってくる仕組みが機能していない、ということです。SNSで情報が飛び交っていても、集約されるべきところに集約されないと、迅速な対処につながりません。
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例えば、市内に186ある自主防災組織や自治町内会において、地域情報を収集して市に伝える発信者を決め(実際には会長や防災担当理事等の発信者となるべき人は決まっているとしても、それを市側が把握していることが必要)、市はコールセンターとは別のホットライン的な情報収集窓口を設けて(当然、平時においてその情報収集窓口について知らせておく)、地域の発信者からの情報を受け、集まってくる情報を効率的に整理する仕組みを作っておくべきではないでしょうか。
そうした仕組みは双方向のものとなり、市から地域への情報伝達も、地域の「人」を介して行うことができれば、広報車や防災行政無線よりも確度が高まります。
いろいろなことを考えさせられました。