文科省の若手官僚が鎌倉市の新教育長に

7月15―16日、鎌倉市議会7月臨時会が開催されました。
議案は、教育長人事と新型コロナウイルス感染症対応の補正予算案でした。

 

市長が自ら探してきた(?)教育長候補
これまで7年間教育長を務めた安良岡靖史さんは、7月末で任期満了になります。
市長が新しい人材を推薦するらしいという話は、6月定例議会が24日に終わった翌々日くらいに初めて耳にしました。

その候補者が文部科学省初等中等教育局幼児教育課専門官の岩岡寛人氏だと知らされて、35歳という若さに大方の議員は驚きました。しかも、文科省の職員。鎌倉市が教育長に国家公務員を起用するのは今回が初めてです。現在、文科省の職員から教育長になっている人は全国で6県市(岩岡氏が加わると7人)とのことです。

市長の説明によれば、文科省に適した人材の推薦を依頼したのではなく、「共通の知り合い」を通して言わば一本釣りした形であるとのことです。

 

僅差での議案可決
7月15日の本会議での採決の結果、賛成13、反対10で岩岡氏の教育長就任が決まりました。神奈川ネットは、共産党、無所属議員とともに反対しました。
教育長という重要なポストの人事議案がこのような僅差で決したことは異例であり、提案側の責任が問われます。

なぜ反対したのか
採決に先立ち、市長に対して議案質疑を行いました。岩岡氏の人となりや資質ではなく、市長の姿勢に疑問を投げかけたものです。論点は次の2つでした。

(1)教育委員会の首長からの独立性の問題
2015年の地教行法の改正以前は、首長によって任命された教育委員が教育長を選任するという建前でしたが、法改正により、首長が、教育長と教育委員長が一本化された「教育長」の任免を議会の同意を経て直接行うようになりました。
同時に導入された教育総合会議の設置とともに、教育委員会の首長からの独立性がさらに弱まった側面は否めません。
制度が変わったからこそ、市長においてはいっそうの配慮が必要であり、自らが実現を願うことを叶えてくれそうな人材を独断で教育長に据えるようなことは慎むべきです。

 

(2)地方と国の関係、地方教育行政の自主性の問題
市長は、岩岡氏がGIGAスクールやコミュニティスクール、幼保小連携の推進で力を発揮してくれるのを期待すると説明しています。国がレールを敷いたそれらの施策を、全国に先駆けて積極的にやるために霞が関から人材を招くというのは、あまりにもお任せ主義です。
国が推進しようとする施策について「鎌倉市で先駆的取組事例をつくるために存分にやってください」というのは、地方自治という視点では極めて問題です。

議案質疑の中継録画はコチラですhttp://kamakuracity.gijiroku.com/g07_Video_View.asp?SrchID=3328

2020.7.15教育長人事質疑のサムネイル