「まちづくりレポート」172号、地域配布中! (1面を掲載)
衆院選の結果について、中央大学の中北浩爾教授は「政党の『断片化』が進んだ」とし、「日本の政治は先行きが見えないまま漂流」「ソフトなポピュリズムが台頭し、『ばらまきの政治』に流れることが懸念される」と指摘(朝日新聞10月29日朝刊)されています。衆院選後の状況を大きく見るれば、まさにこの指摘のとおりだと思います。
さて、ネット鎌倉は10月28日に「まちづくりレポート」172号を発行、市域全体で配布中です。9月議会最終日(10月2日)- 衆議院解散(10月9日)- 衆院選公示(10月15日)という期間に、衆院選の争点や成り行きを気にしつつ記事の作成・編集をしました。
介護保険制度をどうする?!
まちづくりレポート1面の特集のひとつは、「介護保険制度の危機」についての記事です。衆院選では全く争点にならなかった介護保険制度…。
政府は、介護保険制度が先細りし、大手事業者や新形態による介護ビジネスモデルだけが生き残ればよいと考えているように見えてなりませんが、野党はどう考えるのでしょうか?「介護保険制度をどう考えるか」ということには、その政党の本質が表れるに違いありません。
9月議会の決算等審査特別委員会では、「介護保険が危機的な状況にあることに強い危機感を持って臨んでほしい」という意見を付しましたが、これは決算等審査特別委員会として市長に示す意見にも組み込まれました。
原発をどうする?!
1面には「原発回帰の不合理」を訴える記事も掲載しています。既存原発の敷地内での新型炉への建替え(リプレース)には大変なコストがかかるため、新たな資金調達の仕組み(結局は国民の負担増)が検討されているという話。
福島第一原発の事故以降13年超停止していた東北電力女川原発2号機は、再稼働に向けて原子炉が起動しました(10月29日起動、11月3日ナットの落脱に起因するトラブルで停止、同13日再起動)。東北電力が防潮堤のかさ上げなどの新規制基準対応の安全対策に投じた経費は約7100億円です。政府は「電気代抑制のため原発の活用が必要」だとしていますが、電力会社の目先の発電コストが化石燃料に比べて抑えられるに過ぎず、原発ほど高く発電はありません。
議席を伸ばした国民民主党は、衆院選で原発のリプレースや新増設に言及し、「原発がある程度稼働して安くて安定的な電力供給がないと、これから半導体ビジネスもデータセンタービジネスもできない」と主張していました。決して支持できない主張です。