持込み企画は要注意です
12月6日、一般質問を行いました。今回は、民間への業務委託に関して懸念される傾向と防災対策についてとりあげました。
民間への業務委託については、①かまくら想いプロジェクト、②若年層向け啓発事業・未来鎌倉市、③自治体運営型通販サイト・Kamakura Sg の3つの事業を例に、民間から提案された企画を市の事業として行う場合の公正性、透明性、競争性の追求の必要性をうったえました。
3事業に共通するのは持込まれた企画ということ
①は、インターネット上でアイデアを提示して小口の寄付を募るクラウドファンディングの仕組みを使って観光案内版を整備する事業で、随意契約で一般財団法人ジャスト・ギビング・ジャパンに委託されました(今年11月に実施)。
②は30歳以下の若者を対象とした自治体の政策デザインコンテスト(自分が市長だったら、という設定で、30年後の鎌倉市をこんなまちにしたい、そのために10年後にこんな予算・重点政策を組む、というアイデアを競う)です。公募型プロポーザルを経て、NPO法人ドットジェイピーに委託されました(昨年末11~12月に実施)。
③は10月19日と23日にも記事を掲載しているので内容は省略しますが、F&Bホールディングス企業連合(武雄市ほか2社)に消費税込720万円で随意契約により業務委託されています。今年10月末に開設予定だった通販サイトは、まだ開設されていません。
随契はあくまで例外。持込み企画ベースの公募型プロポーザルはいやが上にも慎重に!
質問を通して明らかにしたかったのは、主に次の3点です。
1.多くの随意契約が、地方自治法施行れ第167条の2第1項第2号(「特殊な技能、 技術等を必要とする業務や契約の目的物に代替性がない場合等で、特定の者と契約しなければ契約の目的を達成することができないとき」)に該当する、との判断で行われている現実がある。
しかし、「業務や契約の目的物」をどのように把握するかによって代替性の有無は異なってくる。契約額が一定額以上の場合は、随意契約に先立ち、所管課と契約検査課との事前協議が必要とされるが、「業務や契約の目的物」の設定は所管課が行ない、契約検査課の意見が反映される仕組みにはなっていない。「業務や契約の目的物」の把握、設定は慎重かつ偏向なく行なわれ、代替性の有無は徹底して追究されなければならない。
2.自治体における契約は競争入札が原則であり、随意契約ガイドラインにも、随意契約(プロポーザル方式を含む)は例外であることに留意するよう明記されている。複数の者(受託希望者)から目的に合致した企画を提案してもらい、その中から企画・提案能力のある者を選ぶプロポーザル方式を採用すれば、これを行なわない場合よりも公正性、透明性、競争性が高まる。
しかし、持ち込まれた企画をベースに公募型プロポーザルを行う場合は、50m走で言うと一社だけ30m先にスタートラインがあるようなもの。はじめに企画を持ち込んだ事業者が有利にならないよう、実施にあたり一層の配慮が必要。
3.例としてあげた3つの事業のうち①の一般財団法人ジャスト・ギビング・ジャパンと②のNPO法人ドットジェイピーの代表者は同一人物。一例に過ぎないと看過することなく、市との太いパイプがある事業者(人脈)に随契の委託先が偏るような傾向がないよう注意すべき。
関連の質疑は、来週総務常任委員会でも行われる予定です!