戸別収集全市展開に進む第1歩の補正予算に「待った」の修正案
総務常任委員会で修正案可決!
12月11日(金)の総務常任委員会で、保坂と中澤克之議員が提出者となった議案第65号一般会計補正予算に対する修正案が賛成4、反対2の賛成多数で可決しました。
鎌倉市は、家庭系の燃やすごみ戸別収集を段階的に広めて全市展開とする方針を10月末に決定しました。4月から始めた有料化の動向を検証して方針決定をするということだったため、今年度の予算では、七里ガ浜、山ノ内、鎌倉山の戸別収集モデル地区については、「4月~12月の9か月分は戸別収集、翌年1月~3月の3カ月分はクリーン・ステーション(CS)収集」で、経費を計上していました。それが、戸別収集の全市展開を決定したことで、1月~3月の3カ月間もCS収集に戻さずに戸別収集を継続することになり、そのための委託料の増額1014万9千円が補正予算に盛り込まれた、というわけです。
モデル地区での戸別収集継続の増額予算は、全市展開への「つなぎ」経費です。戸別収集の全市展開には進むべきでない、との立場からは、全額カットを求めたいところでした。しかし、1月からいきなりCS収集に戻すのでは、モデル地区の世帯にとっては激変であり、一定の周知、準備期間が必要だと考えました。そこで、1-2月の2カ月間は従来の戸別収集を継続し、3月にはCS収集に戻すように委託経費を訂正した、というのが修正案の内容です。
修正案の意図は、戸別収集の全市展開に進むな、という意思表示です
修正案の意図をまとめると、次のようになります。
① 戸別収集の全市展開に進むべきではない。
② その意味で、モデル地区での戸別収集も終了すべきである。しかし、年末年始の排出量が多くなる時期を挟んで、年明けからCS収集に戻すのでは混乱を招きかねないので、2月までは従来の戸別収集を続けて、その間にCS収集に戻ることについての周知をはかる。
③ 3月にはCS収集に戻す。
戸別収集の経費を2月分までしか認めないことは、議会として、新年度予算で戸別収集の経費が計上されても通さない、という意思表示であり、戸別収集の経費を新年度予算に計上しないことを求める事前通告でもある。
修正案は、12月18日開催予定の本会議に、総務常任委員会修正案として提出され、採決されます。是非、ご注目ください。
【付記】戸別収集全市展開を不可とする主たる理由
戸別収集は、
① CS回収に比べて年間4億円の経費増になる
② しかし、減量効果は約700㌧に過ぎず、費用対効果が悪すぎる
③ 全市一律に開始せずに段階的な導入とする背景には、業務委託先の収集事業者が「収 集車両や人員の確保に準備期間が必要」としていることがあり、人員等の確保が難航した場合は、さらなる経費増のおそれがある
④ 市は、戸別収集の全市実施で増える収集経費を抑えるために、資源化物の収集頻度や方法の変更を検討しており、資源化物の収集が週1回からが月2回になれば、収集日にはCSに資源化物があふれ、家庭での保管も負担増
など、問題が山積しています。
しかも、市が実施したアンケートでは、CS収集地区の回答者の75%が「CS収集のままでよい」と回答されています。また、CSへのごみ出しが困難な方に対しては、安否確認を兼ねた「声かけふれあい収集」の利用拡充をはかる方が有効だと考えます。