小林節さん、大いに語る―鎌倉で講演会
1月9日夜、憲法学者の小林節さんの講演会「憲法の危機―私たちにできること」が鎌倉で開催されました。会場のホール(定員286人)は文字通り満席で、安保関連法が憲法9条に違反した「戦争法」であることを明確に説いてきた論客への関心の高さがよくわかりました。その論客の講演は、安保関連法の違憲性は論破済みであり、今やらなくてはならないのは、政治の借りは政治で返すことだ、という強いメッセージでした。
具体的には、7月の参院選の全国32の1人区で野党が候補者を一本化して勝利することが肝要で、参院で改憲勢力を3分の2以上にさせないことに全力を注ごう、ということです。一度では変わらなくても国政選挙で結果を出すことが安保関連法廃止につながります。そのことを、「主権者である国民が主権を初めて行使する可能性」と捉えた前向きな発言に強い闘志を感じました。
「メディアとして廃案に向けて声を上げ続けるべきだ」という民放のキャスターの番組中の発言を批判する意見広告(「私達は、違法な報道を見逃しません」)が読売・産経の2紙に掲載されたことは「事後検閲」。野党が求めた秋の臨時国会開催を政府が見送ったのは、(衆参いずれかの議院の4分の1以上の要求があれば、内閣は国会を召集しなければならないとする、三権分立にとって重要な規定である)憲法53条の軽視。自衛隊と日米安保条約による専守防衛で戦争の危機に陥らずに来られたのに、隣国が攻めてくると煽りながら、他国の喧嘩のために自衛隊を遠い外国に派遣して国を留守にするのは政権の自己矛盾…。小林さんの口からは、「暴走」する現状への危機感が様々に語られました。それでもなお、この指止めれで集まった有志の実行委員会による講演に多くの人が詰めかけたことも含め、私たちにできることはある、という思いを深めた講演でした。