東松島市消防団員から被災と救助活動の話を聞く

 1月19日、鎌倉市主催(市社協、自主防災組織連合会 共催)の「防災のつどい」が開催されました。講師は、東日本大震災で自らも被災しながら救助活動に当たった東松島市消防団の齋藤剣一さんでした。

東松島市消防団 齋藤剣一さん

 人口約4万人の東松島市で1000人を超える方が亡くなりましたが、その約半数が齋藤さんが住む野蒜地区だったということです。地震が起きた平日昼間に野蒜地区に実際にいたのは3000~3500人と推定され、6,7人に1人が亡くなったという過酷さでした。齋藤さんは、逃げて行った先の小学校の体育館の中で津波の水に巻き込まれましたが、必死であげた手がギャラリーの柵に触って、水から出ることができました。その後ずぶ濡れになった衣類を着たままで救助活動を続けたそうです。

 咄嗟の判断が生死を分かつ、とよく言われますが、齋藤さんのお話を聞き、判断をする余裕もない状況もあるのだと思いました。毎年定例で地域で行う避難訓練を、本当の避難場所が遠いからと、身近な集会所のようなところに集まってやっていると、本当に大地震が起きた時にも、避難訓練で使った場所に住民が集まってしまう、という指摘は覚えておきたいです。