北鎌倉隧道・住民監査請求 請求人の意見陳述
2月16日、北鎌倉隧道の開削費用の予算執行の差止めを求める住民監査請求の請求人意見陳述が行われました。北鎌倉隧道を巡っては、既に2件の住民監査請求が出され、監査委員から、却下と棄却※の判断がくだされていますが、本日の意見陳述は、「北鎌倉緑の洞門を守る会」の共同代表など10人の市民が2月2日に提起した住民監査請求についてのものでした。(※棄却の監査結果は、鎌倉市の「監査結果等の公表」のページに掲載されている)
請求の要旨は、
①隧道の開削費用を支出することは、最少の経費で最大の効果を挙げることを自治体に要請した地方自治法2条14項に照らして違法、不当であり、公金の支出を差止めるために必要な措置をとることを求める、
②併せて、同法242条3項に基づき、監査委員が、監査結果が出るまでの間当該の支出を停止するよう勧告することを求める、というものです。
請求人を代表しての陳述人は3人で、
守る会の共同代表の一人は、鎌倉の内と外を分かつ北の結界という史跡としての洞門の価値はかけがえのないものだと陳述。
もう一人の共同代表は、市による隧道の安全対策の検討が「開削ありき」であったことを、経緯を辿って説きおこし、逗子市の名越切通し保存の例を挙げて、史跡として保存するという姿勢が少しでもあれば保存のための技術的な選択肢はいくらでもあり、その方が経費の抑制になると述べました。
最後に陳述した請求人代理人の佐伯剛弁護士は、「少し乱暴な言い方になるが」と前置きして、史跡として保存することが最小経費の追求になり、開削工法の選択は違法であると断じました。
1月には開削工事の受注業者が決定しています。史跡として対策を考えるべきだという市民の声は、この問題が浮上した時からずっと発せられ続けていますが、鎌倉市は道路改良工事と捉えています。請求人の陳述に対する市側の反論をこの場で聞きたいと強く思いました。(→「住民監査請求―請求人、関係職員双方立ち会いの意見陳述に」へ)