鎌倉市の減量審を傍聴 ~ 次の10年間の一般廃棄物処理基本計画(素案)
5月13日、鎌倉市廃棄物減量化及び資源化推進審議会を傍聴しました。第3次一般廃棄物処理基本計画の検討がどのあたりまで進んでいるか知りたいと思ったからです。同計画は、平成28年度から37年度までの10年間を計画期間とするもので、本日検討が加えられた素案は、6月の審議会で再度審議され、7月にパブリックコメント実施、9月頃に審議会答申の取りまとめ、というスケジュールとのことです。
未確定の段階ではありますが、素案には、おやっと思う記述が散見されました。
(ごみの)発生抑制策の箇所ではなく「市民サービスの向上」の箇所に「家庭系ごみ戸別収集の検討」が位置づけられて、「実施にあたっては、費用負担の軽減を図るとともに更なる市民の理解を得ることが必要となり、引き続き検討を行います。」と結ばれていました。これに対し、委員の一人から、「高齢者への対応ということを挙げて戸別収集について引き続き検討するように書かれているが、そもそも戸別収集は、ごみ減量施策として提案されたものだ。モデル実施地区での減量効果の検証で、一般的な減量効果は立証できず、その意味で費用対効果が問題とされた経緯を脇に置いてしまってよいのか」という鋭い指摘が投げかけられました。10年という計画期間の中では実現可能性が高まることもあるだろうから、どこかに書いておかなくては…という意図なのでしょうが、市長自ら今年の2月議会で、2期目の任期中の戸別収集の全市実施はない、という趣旨の答弁をしていながら、「引き続き検討」では、納得できません。
不適正な排出に対する指導について述べた箇所では、「公平性を担保するために、必要に応じて開封調査により確認し、分別徹底の訪問指導を行う」ことに言及しています。開封調査を取り入れている先行他市の事例も紹介されましたが、不適正排出は鎌倉市の現況では、200袋に1袋程度。その対策として開封調査を行うことに対しては、市民の合意が得られるとはとても思えません。
この日は廃棄物処理基本計画素案の他に、「平成27年度ごみ処理基本計画 アクションプログラム(実績)」(素案)も議題になりました。
これは昨年度の実績の報告なので、すんなりと運ぶと思いきや、7つある重点項目別の「総括」中の「次年度に向けて」について、複数の委員が苦言を呈しました。
取分け、事業系燃やすごみの炭化・RDF化/RPF化については、回収ルート、資源化ルートの両方で難題があり、「新たな減量・資源化方策」としては断念するという議会答弁があったにもかかわらず、「次年度に向けて」の中で「引き続き…情報収集…調査・検討を進めていく」となっていたのには驚きました。
記載内容はまだ「(調整中)」とのことですが、これまで、市民、審議会、議会が市に投げかけていた疑問や指摘を誠実に受け留めた取りまとめとなるよう求めます。