北鎌倉隧道の通行確保の仮設工事について

7月25日の全員協議会の報告記事の続報です。

鎌倉市は、「現在の工法を見直し、できる限り尾根を残す形での安全対策工事について検討する」が、「検討から工事実施までにさらに時間を要するため、当面、仮設により通行を確保する」として、『ライナープレート断面図』を資料として示しました。
この図では、ライナープレートと隧道の内壁との間にモルタルが注入されていることから、本設工事に入る際に内壁を壊さずにライナープレートとモルタルを除却できるのか、という質問を何人かの方からいただきました。

ライナープレート断面図

ライナープレート断面図

道路課に確認したところ、『断面図』は2年前(2014年)に道路課が作成した案で、仮設工事の工法について文化庁と協議し、助言をもらう際のたたき台的なものであって、この通りに仮設工事を行うと決定したのではない、とのことでした。
ライナープレートと洞門の内壁の間に隙間があると、岩塊の一部が落下した際に、落下地点に大きな衝撃がかかってライナープレートが損壊する恐れがあるが、隙間を充填しておけば、岩塊全体の重さをライナープレートのアーチで支えることができる。
ゆえに、安全な通行の確保のためには隙間を充填する必要がある。
しかし、『断面図』のとおりの仮設工事をした場合、洞門の内壁の凹凸が大きいのでしっかりと結着してしまい、隧道の内壁を損なわないで、注入したモルタルを取り除くことはできない ― という前提を踏まえ、適切な「ライナープレート設置+隙間充填」の工法について、文化庁の助言を得て検討を進める、ということのようです。

北鎌倉隧道は、2015年4月28日から既に1年3カ月にわたって通行禁止となり、近隣住民の方たちは大きな不便を強いられ、通学路としていた生徒・学生は車の通行量の多い県道を通ることを余儀なくされています。
1日でも早く隧道の通行ができるようになることが望まれますが、今後文化庁との協議があり、また、ライナープレートは製造元で作り置きされず、発注があってから製造される部材で、調達までに2カ月程度を要するため、仮設工事の完成は「遅くとも来年の1月」とのことです。
さらに半年近くかかるという厳しい話ですが、本設工事を「できる限り(隧道が所在する)尾根を残す形」で行うことを目指す以上、仮設工事で隧道の形状にダメージを与えることがないように慎重を期すことは必要です。