北鎌倉隧道付近の一部崩落事故についての全員協議会

8月17日(水)、北鎌倉隧道付近で11日夕方に発生した一部崩落事故について市議会全員協議会が開催されました。

しかし、事故後土日を挟んで5日しか経過していない段階での開催で、どれほどの調査結果が報告されるのか訝しんでいた予想は的中。事故翌日の12日に市から公表のあった「隧道坑口付近で約4㎥の岩石が崩落。岩盤の間のクラックが徐々に広がったことにより崩落に至ったものと考える。詳細については現在調査中」という内容より踏み込んだ報告はありませんでした。参加の議員から一人として質問が出なかったのは当然です。もう少し調査が進んだ段階での報告でよかったと思います。

<全員協議会での都市整備部長の発言>
崩落の原因や現況の調査については今後県・急傾斜地担当などの関係機関と共に進める。
事故発生前の8月8日に、工事(本工事と仮設工事)の工法について文化庁と協議を持った。その際、外部の専門家を交えて工法の検討を進めるように言われた。
今回の事故を受け、ライナープレート設置を主に考えている仮設工事の強度をさらに高めるための補助的な工法を含め、文化庁と協議を図っていく。
仮設工事によって通行の再開ができる時期を来年1月としていたが、これよりずれ込む見通しである。

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市が「詳細は調査中」としながらも崩落の原因としている岩盤のクラック(ひび割れ)について、洞門の保全を求める市民団体からは、
剥落したのは坑口から洞門外に張り出した上部と右側斜面で、この箇所に走るひび割れについては、剥落の可能性が高いとして1年前から対策の必要性を指摘してきたところである。一方、この剥落発生の際にも洞門本体部分は損傷を受けなかった。
ひび割れの進行は、隧道上部の(フジ等の)樹木の根を伸長させない対策を怠ったことによるところが大きく、その意味で市の責任は重い。
との指摘が寄せられています。

昨年8月末に公表された日本トンネル技術協会の『北鎌倉安全性検証等業務報告書』には、「トンネル天井部には縦断方向に亀裂が認められる」との所見がありますが、素人眼には、落下箇所の亀裂がこの縦断方向のものと繋がっているとは思えません。岩盤のひび割れは複数確認されているとのことですが、ひび割れの危険度は一様ではなく、客観的な調査に基づいた判断が求められます。

隧道の通行止めが長引き、多くの住民の皆さんにさらなる不便を強いることになったのは本当に残念ですが、7月25日の全員協議会で示された「できる限り尾根を残す形での安全対策工事(本設)を見据えて、通行確保のための仮設工事の工法について検討を進める」という方向性に変更はなく、加えて安全対策強化の補助工法の検討も行う、というのが現時点での市のスタンスであることを確認した8.17全員協議会でした。