在宅診療-鎌倉市での展開は? 学習会で実践例に触れる

11月22日、ドクターゴンこと泰川恵吾医師を講師にお招きして在宅診療についての学習会を開催しました。
泰川医師は、新宿の大病院の救命救急センターの医長から転じて、沖縄県宮古島と鎌倉市で診療所を営み、20年近くも在宅診療に取り組んでいる方です。
宮古島と周辺5島では自ら水上バイクで疾走して往診、電子カルテを一早く取り入れ、最新の訪問医療のキットを駆使。一方、高齢化の進む鎌倉市では、常勤医6名体制で420人の在宅患者を診ています。鎌倉市での診療所経営を、離島での医療を支える人材の確保にもつなげているそうです。IMG_20161122_183146

救う命と看取る命の両方に関わる在宅診療。患者さんを診療する様子を記録した映像は、命の重さを訴えると同時に在宅看取りの意味を問いかけるものでした。
緩和ケア治療についてのアンケート結果では、「受けたくない」とした回答の理由の1位が、「お金がかかる」であったそうです。
実際には、高齢の患者さんが在宅での緩和ケア治療を受けても過大な負担にはならないそうです。在宅診療について、もっと広く知られるようになってほしいと思いました。

国は市町村に対し、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で自立した日常生活を営むことができるよう、医療、介護、介護予防、住まいと自立した日常生活の支援が包括的に確保される地域包括ケアシステム体制を2025年度を目途に構築するよう求め、「施設から地域へ」と「医療から介護へ」の流れが作られようとしています。
しかし、地域の実情は…と言えば、介護においては、介護保険制度の後退が顕著になり、担い手不足は深刻化しています。
そして、受け皿がない厳しい状況は、在宅医療も同様です。泰川医師は多職種連携ということも強調されていました。
貴重な実践例に触れ、高齢で病弱になっても、住み慣れた家で暮らし続けるための支援、医療サービスのあり方について考える機会となりました。