12月議会振り返り~市役所本庁舎移転の整備方針が示された総務常任委員会
私が所属する総務常任委員会は、12月20、21日の2日間にわたって開催されました。
一般会計補正予算案
歳入歳出に5億7,975万円を追加する補正予算案が示され、賛成多数で可決しました。20日の委員会ではいくつかの項目について質疑しましたが、そのうちの2つについて報告します。
◆高齢者雇用促進事業(1,232万2千円)
厚生労働省の生涯現役促進地域連携事業に、鎌倉市が社協・商工会議所・シルバー人材センター・金融機関などと共に協議会を組織して応募し、採択されたことで実施する事業です。
主な事業内容は、「観光分野やIT分野等の重点分野で就業するため、高齢者向けのスキルアップセミナーを開催」や、「高齢者の起業支援 及び 起業する現役世代と起業に必要となるスキルを持つ高齢者のマッチング支援」などだそうです。
鎌倉市は、IT、起業支援、観光振興というキーワードにはアンテナの指向性がよく働くのでしょうか。
(詳細は市のホームページ https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kisya/data/2016/20161028-2.html)
補正予算の金額は運転資金の貸付金。
協議会がどれくらい機動力を発揮するのか見てみないと事業実施の妥当性は判断できませんが、国から協議会への財政支援は1年度単位で最大3年度とのことです。
◆ 一般廃棄物の自区外処理経費(1億3,571万8千円)
今年度のごみ焼却量が、名越クリーンセンターでの焼却可能量33,000㌧を1,850㌧を上回る見込みとなったことに加え、名越と今泉の両クリーンセンター(今泉は焼却終了後もピットは使用継続)のピット内に溜まっている約1,510㌧のごみを管理上適正な状態にする必要から、合せて3,360㌧を自区外処理するための経費、1億3,571万8千円が計上されました。
ごみの減量が進まない事態は深刻ですが、ピット内の滞留量の管理も、もう少し早く手が打てなかったのかと思わざるをえません。
両ピットの滞留量は長期間きわめて多い状態が続いています。
焼却後の灰の残量をチェックしたところ、焼却量に比べて灰の量が少なく、ピット内のごみの水分量が多いことがわかりました。
そのため、2015年4月開始の家庭系ごみ有料化の前に駆け込みで排出量が増加したことが滞留量が減らない原因になっていると判断したとのことです。
本庁舎の整備方針の検討状況
鎌倉市は今年度本庁舎の整備方針の策定を進めており、年度末までに、現在地建替え、現在地長寿命化、別敷地への移転の3択のうちから整備方針を決定するとしています。
学識経験者と公共的団体の代表者で構成する本庁舎整備方針策定委員会での議論と5回にわたる市民対話を踏まえて作られた「本庁舎整備方針(素案)」が、21日の総務常任委員会で報告されました。
整備方針の要旨は次のとおりです(素案p47より抜粋)
・本庁舎は、移転して整備する方針。
・現在地はポテンシャルが高く本庁舎以外の多様な用途での活用による新たな価値の創出も期待できる。
・現在地の跡地の利活用については、「防災的機能、市民利用機能などを出来る限り配置」、「コスト削減目標の実現に向けた公共施設の再編」、「公的不動産の活用などの事業手法等も取入れた整備」などの観点から検討を進めていく。
・移転先については、深沢地域整備事業用地、野村総合研究所跡地を始めとする公有地のほか、低未利用地の活用なども含めて、本庁舎整備の取組の中で、移転先にかかる交通負荷などを視野に入れて、適地を定めていく。
鎌倉市に大転換をもたらすこの素案は、12月27日開催の整備方針策定委員会で概ね了承され、市のホームページに全文が掲載されています。
( →鎌倉市本庁舎整備方針策定委員会 第4回(12月27日開催)の 資料4 https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/keiki/hontyosya-hoshin-sakuteiiinkai.html)
27日の委員会で委員から出た若干の意見を反映させた後、1月中旬以降に意見募集(パブコメ)が実施される予定です。
整備方針の策定は、市民対話や複数のアンケート調査等によって市民意見を吸い上げる形で行われているとのことですが、大多数の市民は、整備方針の策定が行なわれていることすら知りません。
それが一番問題だと考えます。