日本国憲法施行70年の5月3日

憲法記念日の今日、鎌倉市・鎌倉平和推進実行委員会の主催で、フォトジャーナリスト安田菜津紀さんの講演会がありました。

1958年に平和都市宣言を行った鎌倉市では、1995年に戦後50周年記念事業を実施、翌年に公募市民による鎌倉平和推進実行委員会が発足しました。以来毎年、市と実行委の協働で平和推進事業が行われています。
安田さんは、カンボジア、岩手県陸前高田市、中東での取材、記録活動を通じて、そこで生きる人たちの「小さい声」に耳を傾け、その小さい声を写真を通して伝えることで、平和や命の大切さ、戦争の愚かしさを訴えていました。しなやかな語り口でとても聞きやすい講演。お子さん連れの参加者もいましたが、もっと中学生や高校生の参加があればよかったです。鎌倉市はもうひと押しの広報に努めてほしかったです。

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基本的人権を侵害するおそれが大きい共謀罪法案が審議され、米艦警護という安保法に基づく自衛隊の任務実施がなされた中での日本国憲法施行70年の日。

状況を大きく捉えてどう見ていくか。
思想家の内田樹さんは次のように看破しています。

 日本の指導層の抱え込んでいる「主権国家でないこと(=米国の属国であること)の抑圧された屈辱感」は日本国民に「主権者でないことの屈辱感」を与えるというかたちで病的に解消されることになった。
それが特定秘密保護法、集団的自衛権行使の閣議決定、安保法制、共謀罪と続く、一連の「人権剥奪」政策を駆動している心理である (神奈川新聞 時代の正体・憲法特集)

この指摘はあまりにも言い得ていて、思わず肩の力が抜けてしまいそうです。
それでもなお、おかしいことはおかしい、容認できないことは容認できないと言い続けていきましょう。
安田さんのようにしなやかに語れるとよいのですが。