鎌倉芸術館、まもなくリニューアル・オープン

今年1月~9月の9カ月間、大規模改修のために全館休館していた鎌倉芸術館。
10月1日にリニューアル・オープンのイベントが開催されます。

これに先駆け、市議会総務常任委員会のメンバーが、内覧の機会を設けてもらいました。
築24年を経た芸術館は、大掛かりな機器・機構類の修繕・更新や内装等の傷みの修復が必要であったことに加え、東日本大震災後に国が天井落下防止の基準を厳しくし、面積で200㎡超かつ高さ6m超の天井が「特定天井」と定義されて耐震強化を義務付けられたことから、大規模改修を迫られました。

小ホールの天井も特定天井だったので、取り払われました

 

当初市は、単年度あたりの経費を抑えるにはPFI手法が有効であると考え、改修事業とその後の管理・運営を一体化して民間に委ねる可能性を探りました。
しかし、PFI事業者が見つからなかったため、今回の大規模改修は市が直営で行ったものです。

大ホールの客席の椅子は張りかえられて綺麗に

大・小ホールの照明・音響・舞台機構等の設備の更新、内装などの改修で、総額は15億2千万円です。
そのうち、舞台照明改修に5億4千万円、舞台音響改修に2億5千万円を要しました。
音響は、試聴させてもらいましたが、素人の耳にもグレイドアップがわかりました。
写真を撮り忘れましたが、エントランスホールの特定天井は改修が施されました。シャンデリアが無くなって和風の意匠の天井になっています。豪華さは減りましたが、壁面の鎌倉彫の装飾や中庭の竹林との調和が取れましたし、大地震発生時の帰宅困難者の一時収容などのケースを想定すると重要な変更です。

壁面高く取り付けられたラインアレイ・スピーカー。設置角度をつけることで、音が飛ぶ方向を遠・中・近距離と変え、ホール全体に均質な音響の提供が可能に。

鎌倉市民にとって貴重な文化施設、市民利用施設である芸術館が紆余曲折を経て、施設の寿命を延ばすことができたのはよかったですが、改めて施設を維持管理していくことの大変さを感じました。

カーペットと壁紙が張りかえられた集会室