やはり税金の無駄遣いだった地方創生加速化交付金事業(9月議会振り返り その2)

どうしても釈然としない企業活動拠点整備事業についてまたも聞く
9月議会の一般質問では、6月議会で取りあげた企業活動拠点整備事業についても市長の見解を聞きました。

企業活動拠点整備事業では、補助金(1事業あたり600万円未満)を受けて昨年度実施された4事業のうちの2事業が同じ事業者によるもので、事業者選定の公平さが問われるばかりか、「空き家、空き店舗を活用した企業拠点やサテライトオフィスの設置により鎌倉における新たなワークスタイルを提案し、働く町のイメージをつくる」ということで実施されたイベント(2軒の隣接する家屋で同時に実施)が、実質的には2つではなく1つのイベントだったと指摘してきました。
その事業者の代表こそが、市長が協力依頼をして今年度の花火大会の実行委員会を担っていただいた方です。
また、同社は、補助金で整備した拠点(中古住宅)の隣に新社屋を建設する計画で、そうなれば今年4月施行の企業立地等促進条例に基づき減税が受けられます。
特定の事業者を優遇することがあってはならないと考えるがどうなのか、と質問したところ、市長の答弁は「指摘の点はそれぞれ別個のものである。特定の事業者の優遇などはあってはならない」という型通りのものでした。

28年度決算審査でもさらに聞く
企業活動拠点整備事業は国の地方創生加速化交付金を使った事業です。
9月20~26日開催の28年度決算を審査する特別委員会の中では、28年度実施の同交付金事業3本について改めて質問しました。

Night Wave光の波プロジェクト
28年11月の3日間、由比ガ浜海岸の波打ち際にLED光線を照射して、オフシーズンの夜の海の魅力アップを図った。決算額547万7000円。

Q.)28年12月議会で、「このイベントは観光施策として次につながる要素はあるのか」と聞いたところ、「今後については民間主導での実施という話も出ている」との部長答弁だったので、今年度動きがあるのか質問しました。
これに対して、「昨年12月段階では、一部企業から話が出ていたが、その後先方の事情もあり、実現に至っていない」との 答弁。

マイレージアプリ「いざマイル鎌倉」
「鎌倉市のさまざまな名所や史跡を訪ねてチェックインすることで、マイレージを貯めて、花火大会観覧席招待券や流鏑馬神事招待券、流鏑馬神事諸役体験といった鎌倉でしか味わえない特別な体験ができるお得な特典と交換できます」と謳ったアプリの製作・運営を鎌倉市観光協会に委託。協会がヘルスデータ・プラットフォーム(株)にアプリの開発(製作・メンテ)を委託。
決算額1000万円。
しかし、このアプリのサイトはリリースから4か月半でクローズしてしまい、6月議会で同僚議員がポイント還元ができなければ詐欺ではないか、と追及。

Q.)「アプリは9月現在もクローズしたままだが、何故か」と質問しました。
これに対し、「1000万円はアプリの開発費と手直し等の運営費に充当され、今年度は広告収入を得て事業を継続する目論見だった。しかし、広告が集まらず、継続するためのコストが賄えないでいる。
またアプリの運営も公募により観光協会から他の事業者に移行させて(独立採算で?)やってもらおうとしたが、手が挙がらなかった」というお寒い内容の答弁。
間もなく再開させるとも言われていましたが、10月初旬現在でサイトに変化は見られません。

この事業は、鎌倉で先行的に行い、手ごたえを確かめた上で三浦半島魅力向上化プロジェクトとして広域拡大する計画でしたが、そのはるか手前で頓挫してしまったという現状です。

企業活動拠点整備事業
決算額2370万6000円。
Q.)「この事業は、当初『空き家・空き店舗等の不動産を活用した企業活動の拠点整備』と銘打って国に補助金申請したが、同じ事業者による2拠点については、3月に1回イベントを開催した後は、空き家状態ではないか。現地を見た限りではそう思わざるをえない。」と質問。
これに対し、「週2,3回は会議に使っている。30年春頃に隣に新社屋ができたら、もっと活用されると聞いている。
イベントは3月の後、8月にももう一度行ったと聞いている」という答弁。

以上のような質疑があり、記事の標題を付けた次第です。