「村岡新駅あり」で進める本庁舎移転…
3県市が正式合意
仕事納めの12月28日、鎌倉市議会全員協議会が開催され、
・神奈川県・鎌倉市・藤沢市が、東海道線の大船-藤沢間に新駅を設置し、
・柏尾川を挟んだ鎌倉市深沢地区と藤沢市村岡地区の土地区画整理事業を一体的に行う
ことで正式に合意した、との報告がありました。
既に27日に知事と2市長が県庁で会見を開いて公表した内容です。
160億円と試算される村岡新駅の整備については、
・3県市でJR東日本に設置を要望すると共に整備費の一部負担を求め、
・JRが応じた場合の額を差し引いたうちの、3割を県が負担し、残り7割を鎌倉市と藤沢市で折半する
ことが明らかになりました。
区画整理事業とそれ以外の整備事業
一体施行ということですが、区画整理事業は、深沢と村岡で工区分けし、鎌倉市と藤沢市で保留地処分も含めてそれぞれで行います。
鎌倉市側の事業費は約205億円と推計されますが、保留地処分金と国庫補助金を財源として充てるため、鎌倉市の一般財源からの拠出は36億円と試算されています。
土地区画整理事業以外では、新駅の整備(前述の整備費の他に、設計費も3県市で負担)に加え、
・藤沢市側の自由通路・南口駅前広場・シンボル道路は 藤沢市、
・柏尾川にかかるシンボル橋は 鎌倉市
が整備するとのことです。(図参照)
一体施行の合意成立後もハードルは高い
鎌倉市が本庁舎の移転先としているのは、土地区画整理事業用地の湘南モノレール寄りの1画 2.6ha です。
12月議会では、県知事特別秘書を鎌倉市副市長に起用する人事案が賛成多数で可決しました(神奈川ネットは反対)。
県とのパイプ役としての働きに期待するというのが起用理由でした。
しかし、藤沢市議会では「事業費増大や市の財政悪化などの環境変化があった場合はゼロベースで見直す」との副市長答弁もあったところです。
また、藤沢市域のシンボル道路用地周辺には多数の地権者がおり、全員が立ち退きに同意してくれる保証はなく、合意成立後も先行きは必ずしも楽観できません。
本庁舎移転先の深沢地域整備事業用地については、多くの不確定の部分を今後とも厳しく見て行く必要があります。