災害のリスクに向き合うまちづくり
記録的暴風雨となって首都圏を直撃した台風15号。
鎌倉市では、県内最多の約1万2千軒が停電し、解消までに3日かかった地域もありました。要因は、多発した枝折れ・倒木、土砂崩れ。
樹林管理と急傾斜地対策は、防災の大きな課題であり、県と連携し、また国に制度づくりを働きかけ、踏み込んだ対策を行うべきだと痛感します。
その約1か月後には、台風19号が東日本に記録的な大雨をもたらしました。
鎌倉市内の避難所には、豪雨災害を警戒して千4百人近い住民が避難しました。
決壊した堤防は7県の71河川128か所。深刻な人的被害が発生し、今なお厳しい環境の下で避難されたり、復旧で大変な思いをされている方が多くいらっしゃる状況。これは、列島のどこの地域にも起こりえたことです。
浸水域はハザードマップとほぼ一致しており、避難判断においてハザードマップの活用が大切であること、危険視されていた箇所への対策の遅れが甚大な被害を招くことが、実証された形です。教訓として生かさなくてはなりません。
鎌倉市では、今回新たな試みがありました。
15号襲来後に開催された市議会の総務常任委員会で、「市内各地の被害状況を把握し、市から地域へ情報を確実に提供するためには、地域ごとに担当者を決めて、双方向の連絡体制を作ることが必要だ」と提案した(※)のですが、19号襲来時、市と自治・町内会長とのホットラインが初運用されたとのことです。各部の管理職が担当する自治・町内会長から被害状況などを聴取したと聞いています。
(※本サイトの9月13日付記事「台風15号による停電軒数が県内最多となった鎌倉市」には、委員会での発言のもとになった内容を記載)
情報伝達体制や避難の迅速化のようなソフト面では、できることは沢山あります。
一方、ハード対策の道程は遠いですが、大きな視点に立ち、気候変動による自然災害の激甚化を前提にしたまちづくりにシフトしていくことが必要です。