利用開始の電子商品券、業務委託の枠組みは? ~12月議会振返り③

12月15日から縁結びカードの利用開始。取扱店舗はポスター・ステッカーを掲示

12月9日の観光厚生常任委員会では、市民全員に1人5千円の電子商品券を配布して消費喚起をはかる縁むすびカード事業の報告がありました。

広報かまくら(12月15日号)に折り込まれた「取扱店舗一覧」には11月19日にまで登録申請があった986店舗が掲載されていますが、12月9日現在の登録数は1038店舗にまで伸びたとのことでした(登録申請は1月29日まで受付)。
縁むすびカードの運営事務局は千代田区大手町で、そこにコールセンターが置かれています。
委員会では、事務局所在地の件も含め、業務委託について委員会所属議員が質疑を行いました。

文書質問でわかったこと
実は、業務委託については、詳細を確認するための文書質問を1か月前に行い、11月24日に答弁書を受け取っています。
答弁書の全文は市議会のホームページに掲載されています。
kaitousyo09.pdf (city.kamakura.kanagawa.jp)

私の文書質問は計5問。
3・4問目は電子商品券の決済システムを提供している(株)トラストバンクが運営するふるさと納税ポータルサイト「ふるさとチョイス」、5問目は公益的活動団体に対する縁むすびカードの寄付に関するものなので、ここでは1・2問目の業務委託に関する内容を抜粋して報告します(3~5問目を含む全文は上記PDF参照)。

【質問】電子商品券(縁むすびカード)発行管理運営業務委託の委託先は瀬味証券印刷(株)で、QRコードを使った決済システムは、(株)トラストバンクの地域通貨プラットフォームサービスchiica(チーカ)を利用する。受託業者(瀬味証券印刷)が決済システムの構築と利用に関して他社(トラストバンク)に「再委託」したということか?

【回答】再委託ではなく、市との契約の履行に必要なシステムの「借り入れ」である。受託業者は、トラストバンクとシステム利用契約を締結してchiicaを利用する。
また、トラストバンクは、コロナ禍における支援策へのシステム活用には優遇措置を講じており、本事業でもシステム使用料については経費を計上していない(無償提供)。

【質問】瀬味証券印刷の提案金額は984,063,412 円だったが、このうち同社からトラストバンクに支払われる金額はいくらか。

【回答】本事業では決済用のスマートフォンが必要な店舗には貸出を行っているが、この貸出に関しては、受託業者がトラストバンクから機器600台(※)を借り入れる。
機器600台の貸出にかかる予算額は1,920万円円(税抜き)で、内訳は、事務手数料840万円、通信費(キャリアはNTTドコモ)1,080万円である。事務手数料の中に受託業者からトラストバンクに支払う使用料が含まれる。
(※)スマートフォンは現在500台超を貸出している。
縁むすびカード業務委託費のサムネイル

 

【質問】トラストバンクは、6月議会に電子クーポン事業を提案するに際して参考経費に関する聞取りを行った会社か。

【回答】トラストバンクに対して聞取りは行っていない。受託委事業者が、市との契約の履行に必要なシステムおよび資機材の借入先として選んだ。

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以上が文書質問からわかった業務委託の枠組みです。

県内他市が軒並みプレミアム付き商品券を市民に購入してもらう消費喚起策を採用したのに対し、鎌倉市は電子商品券を全市民に配るという破格の消費喚起策を採用しました。
事業規模の大きさについては議論の余地が大いにあります。
ともあれ、事業が実施される以上は、偏りなく、できるだけ多くの店舗、業種を元気づける利用がされることを願います。