市役所移転 反対論にモノ申す(その②)
鎌倉市役所の新庁舎整備をめぐり、「深沢への市役所移転に賛成=市長派」「深沢への市役所移転に反対=市民派」という我田引水の決めつけが一部で見られるようです。例えば、市役所の位置を深沢に定める条例に反対した議員が、賛成した議員を指して「あの人は市長派ですから」と言うような…。
まず後者の方ですが、市民には移転に賛成する市民と反対する市民とどちらでも構わない市民がいるわけですから、「市民派」ではなく「『移転に反対する市民』派」です。
そして前者ですが、神奈川ネットについて言えば、市長派だから市役所移転に賛成しているのではありません(そもそも市長派ではないし)。
現庁舎は老朽化して狭く、平時には業務効率の低下を招いて来庁者のためのスペースも不十分で、大地震発生時には庁舎内での業務継続に困難をきたす恐れがあり、市外からの救援・復旧支援を受け入れるスペースにも事欠く
しかし、現在地で建替えて必要な面積を確保することは立地の制約から困難であり、コスト面からも移転による整備の方が有利であることから、市有地の中から市庁舎の整備に十分な面積を確保できる深沢地域整備事業用地を移転先とした
市役所移転後の跡地(御成町の現在地)には行政の手続き・相談機能と防災拠点機能を備えた、中央図書館を中心とする市民の拠点施設を整備することができる
―と考えるから、新庁舎の深沢での整備を「是」とするのです。
![](https://hosaka.kanagawanet.jp/wp-content/uploads/2025/02/25.2.5市役所中庭-1024x805.jpg)
鎌倉市役所中庭。ここに執務スペース?!
移転反対理由に合理性が乏しいことについては、前掲2月3日付記事でコメントを付しました。
12月議会で「市庁舎の深沢移転に断固反対する」という一般質問をした議員が挙げた断固反対する理由は、「政治を扱う政庁は古来 鎌倉(現在地)にあったのだから、ここになくてはいけない」と、「移転先の近くには最先端の防衛産業の製作所があるから日本がミサイル攻撃を受ける時には真っ先に標的になる」というものでした。
また、村岡新駅の整備と深沢の新たなまちづくりは大いに賛成し、推進を叫ぶ一方で市役所移転に反対する議員の反対理由は、「深沢移転は時期尚早」とか、「新駅と深沢土地区画整理事業と市役所移転の3事業は欲張りすぎ(3点セットは欲張りなので市役所移転はカットする)」という理由にならないものです。
同議員は、これまでに「雪ノ下3丁目に横浜国大付属小中学校に野村総研跡地に移転してもらって、市役所は深沢ではなく学校跡地に移転すればよい」とか、「現庁舎の執務スペースが不足しているなら中庭に執務スペースを設ければよい」などの不思議な提案もしています。
こういう理由や提案を口にすることが「市民派」ですか?