鎌倉山二丁目開発の公聴会
6月5日夜、鎌倉市役所分庁舎で、鎌倉山二丁目開発についての公聴会が開かれました。公述人は市民4人、傍聴者は9名(うち市議4名)で、事業者の代理人2名が出席しました。
鎌倉山二丁目開発の経緯
鎌倉山から七里ヶ浜東の住宅地に下る手前、鎌倉山二丁目の3000㎡超の土地の開発。2011年6月から現在まで3回の開発計画が出されています。近隣住民有志によるサイト「鎌倉の緑を守ろう」を参考に、経緯の概略を示したものがコチラです。鎌倉山二丁目開発のこれまでの経緯
公述人4人が意見陳述
自己居住用住宅として行われた2回目の開発申請への許可処分の取消しを求める住民訴訟で、鎌倉市は控訴審で逆転敗訴し、上告の手続きを行いました。これに対し、市民の側に立った判断ではないとして市民からも議会の中からも批判の声が上がっているところです。今回の公聴会は、10戸の建設を目指す3回目の開発計画の届出に関するものですが、住民側は当然3つの開発計画の継続性を問題にしています。
公聴会では、まず近隣住民等市民4人が各10分以内で意見陳述。
当初、さくら建設による計8戸の開発計画だったところ、住民が「至る道路」4mの接道要件を満たしていないことを指摘した結果、「事業主都合」として取下げ、今度はまちづくり条例の適用を免れるために、関係者が自己居住用の1戸の宅地を建てるとして開発申請を行った。しかし、造成後の現況は個人住宅建設のためとは到底見られないものであった。関係者は造成工事完了後に住宅建設中止を申出て、間髪入れずにさくら建設が申請した10戸の大規模開発である本件は、脱法あるいは脱法すれすれの行為に他ならず、許可されるべきではない ― 意見陳述の内容は概ねこのようなものでした。
次いで、まちづくり審議会委員のうちの学識経験者3名からなる委員(「公聴会員」)が、公述人と事業者の代理人に対して質問を行いました。「開発計画をより良好な環境を保全する方向で見直す意向はないか」との質問に対し、代理人は「現状で問題ない」と突っぱねましたが、「公聴会を踏まえて市長が助言・指導を行った場合、それを尊重するか」との問いかけに対しては、(取りあえず、の感はありましたが)肯定していました。公聴会員による質疑は簡潔かつ丁寧な印象でした。的確な助言・指導が示されることを期待します。
公聴会は、まちづくり条例の大規模開発事業の手続きの中で市民から開催請求があった場合に行われるものです。中規模開発事業においても、第三者の専門家が住民と事業者が意見を出し合う場に立ち会い、問題の整理や助言を行うことが必要だとの思いを深めた傍聴でした。