鎌倉市のごみ収集有料化の条例改正案は撤回されました

市長が取り下げを決断!
 3月14日と19日の記事の続報です。今日20日の予算審査特別委員会の冒頭で、松尾市長は、家庭系ごみの収集有料化を盛り込んだ廃棄物条例の改正案を取り下げる、と表明しました。有料の指定ゴミ袋に入れる「燃やすごみ」の対象品目を明示しない改正条例案は、手数料を支払う市民を軽視したものであり、地方自治法が条例に規定しなければならないとしている手数料に関する事柄を規則に委ねるのは(しかも、その規則がまだ出来ていない)、地方議会の権限の根幹をなす条例主義を否定するものである、という予算委員会での4会派(ネット、公明、共産、自民)の追及が実を結んだのです。
 14日の記事に書いたように、当初市長は「この条例案で問題ない」と答弁していました。これに対し粘り強く弁護士の法的見解を求めたところ、改正条例案が地方自治法228条第1項に違反するものであることが鮮明になりました。

 条例案の撤回に踏み切ったのは、顧問弁護士の法的な見解と予算委員会の指摘を真摯に検討した末の市長の決断だと受けとめています。今後、年度が変わって新たな施策を提案するにあたっては、法制面の問題をクリアしていることはもとより、ごみ処理基本計画との整合性も取れ、かつ広く市民の理解を得られるものとなるよう、万全を期してほしいと思います。ごみ処理施策については、急ぐべきことと、慎重に行なうこととの見極めが求められます。有料化は最優先で急ぐべきことではありません。

予算修正をめぐる空転で会期再延長?
 
市長による条例改正案の取り下げ表明は、午後2時の開会直後になされました。しかし、それを受けた予算案の修正(有料化にかかる収支の削除)については、出し方をめぐって会派間(予算委員会は8会派10名)で合意が取れず、中断したまま夜8時近くまで経過しました。4会派には、予算修正案提出の用意があり、それを提出して採決の運びとなれば、その後残余の日程を続行し、予算委員会は今日中にすべての審査を終えることも可能でした。

 しかし、4会派以外の会派が、市長による予算の修正提案にこだわったため、結局またもや延会となってしまったのです。市長が出すことになったため、早くて25日(火)の本会議での提案です。予算委員会は、その本会議終了後の再開。一度会期延長を決めて、目下のところ会期は25日までとなっていますが、再延長は必至です。下手をすると年度内に予算案が通らない恐れすらあります。
 おかしいのは、4会派が用意した修正案と、来週市長が提出する修正案の内容に差異がないことです。年度末に会期の再延長を招いてまで市長提出にこだわる「その他会派」の理はどこにあるのでしょう?合理的に考えれば考えるほどわからなくなります。