鎌倉市議会特別委員会でごみ有料化の補正予算案可決
温度差があった特別委員会
本日9月16日、廃棄物の有料化に関する補正予算等審査特別委員会が開催されました。9時半開始、15時まで当局に対する質疑、15時25分~16時15分 市長に対する質疑、16時半頃採決。家庭ごみ収集の有料化を来年4月1日から実施するとした廃棄物条例の一部改正議案、関連の補正予算案ともに賛成多数で可決されました。
賛成…久坂(みんな)、池田(みらい)、長嶋(草莽)、小野田・永田(鎌夢会)
反対…西岡(公明)、吉岡(共産)、保坂(神奈川ネット)、上畠(自民)<敬称略>
有料化に反対の委員は、問題点を明らかにすることに力を注ぎましたが、賛成の委員は、既に改正条例が施行されていることを盾に取り、有料化実施日の変更と補正予算を付けるだけの通過儀礼と捉えて臨んだようでした。それは、賛成した委員5名のうち、質疑を行なわなかった1名を除く4名の質問時間が合わせて約30分という短さだったことに端的に表れています。今日は、普段の常任委員会を大きく上回る傍聴者がありましたが、傍聴された皆さんはどのように思われたでしょうか。
補正予算5,363万円
ごみ有料化の実施日程は、これまでに今年7月→10月→来年1月15日→4月1日と二転三転。来年4月1日から実施する場合の26年度補正予算の内訳は、委員会当日にようやく示されました。補正予算の総額5,363万円のうちの2,880万円が、指定ごみ袋300万枚の作成・販売等委託料です。
私は、事前周知にあたる人員の配置を年度内に34日間しか見込んでいないのは、実施後の分別指導よりも事前の周知活動を丁寧に行うという方針転換を反映していないこと、年度内の指定ごみ袋販売見込み額が1月15日実施で7,843万円であったのに対し、4月1日実施で4,349万3千円としたのは多目に見積もりすぎていること等を指摘しました。指定ごみ袋は来年の2月15日頃から店頭などに並ぶ予定。
問題山積みの有料化
補正予算の内訳に関する質問以外にも有料化の問題点と捉えていることを網羅的に質問し、市長に対する質疑も行いました。主な論点は次のとおり。
① 収支見積もり…上述の2点の他、2月の当初予算での有料化実施時の分別指導体制が過剰なものであったことの説明責任への言及
② 費用対効果が認められない…有料化による減量見込み2000トン。市民負担は有料化に係る市費1億円と指定袋の購入額3億5千万円(市にとっては歳入)を合わせた4億5千万円。単純計算で1トンのごみを減量するのに、22万5千円。
③ 施策としての有効性…鎌倉市のように資源化への取組みが進んだ自治体では、有料化による減量効果は小さく、有料化以外の手法で減量化を図るべき。
④ 有料化の法的根拠…有料化による収入を手数料と位置づける法解釈は現行ではグレイゾーン。有料化により年間2億5千万円の黒字となれば、地方自治法227条の「手数料」の概念ではとらえ難い。
⑤ 戸別収集モデル実施…戸別収集が、多額の経費が予想されるために全市展開の実現性に欠ける状況では、モデル地区での実施は早く中止すべき。そうでないと、来年度にまた6000万円超の予算をつけることになる。
⑥ 有料化提案のタイミングの問題…発生抑制や負担の公平化を掲げるだけでは不十分。有料化収入の計画的使途を明示しなければ市民の理解は得られない。新焼却炉整備の基本計画、資金計画ができて漸く使途の「見える化」が可能。