新年はリセットの年に!

一体何を取り戻すのか?!
 2013年も残すところ3時間ほどです。参院選以降の半年に満たない間に、国家安全保障会議(日本版NSC)の創設、特定秘密保護法の制定、組織的犯罪処罰法を改正し「共謀罪」を新たに盛込む方針の発表、憲法解釈の見直しによる集団的自衛権行使の容認や、武器輸出の緩和といった内容を盛り込んだ「国家安全保障戦略」の策定、南スーダンでPKO展開中の韓国軍への銃弾提供(他国の軍隊への、PKO法に基づく初めての武器提供)が、「日本を取り戻す」ことを標榜する政権によってなされました。取り戻そうとしているのは戦前の日本だ、と多くの人が指摘しているとおりです。10年後に振り返り、2013年がその後の日本のあり方を決定づける転換の年だったと悔やむことがないよう、この動きを何とかリセットしていかなくてはなりません。

 自治体が歳入確保と歳出抑制に汲々としている中で示された、過去最大規模96兆円に及ぶ2014年度政府予算案の大盤振る舞いには、落胆させられました。この1年間、国の補助金を用いた鎌倉市の事業の問題点が次々と指摘されました。しかし、枠を細かく設けて自治体の裁量を狭めた補助金のあり方自体に問題があることも事実です。「日本を取り戻す」国策にではなく、地域社会を豊かにする施策に税金が配分されなければ、未来はない…と切実に思う1年の終わりですです。

危機管理対策で修正案~煽られる危機ではなく…
 12月議会の報告を1件付け足します。12月24日の最終本会議で鎌倉市総合計画第3期基本計画(対象期間は平成26~31年度の6年間)の策定議案が賛成多数で可決しました。これに先立つ20日の総務常任委員会で、神奈川ネットは修正案を出しました。敢えて1つ、危機管理対策に絞った修正案です。今日の状況を客観的に見渡せば、市が行なう危機管理対策は多岐にわたってしかるべきです。しかし原案は、いわゆる「国民保護法」を受けた「国民保護に関する鎌倉市の取組み」が前面に出て、「あらゆる危機事象」への対応と言いながら、危機の例示として「武力攻撃事態やテロ」ばかりが頻出するものです。市の緊急事態対策計画では、「放射性物質災害」を緊急事態の中に位置づけていることから、これとの整合性をはかる上でも、危機事象の例示に「新たな感染症や環境汚染」に加えて「放射性物質災害」を併記すること、度々出てくる「武力攻撃事態やテロ」の例示を一か所削除することの2点を内容として修正案をまとめました。

 総務常任委員会では、賛成多数となり、総務常任委員会修正案として本会議に提出しましたが、賛成少数で否決され、原案可決となりました。
 国の動きが民意を反映しない傾向は、強まる一方です。福島第一原発では、深刻な危険と隣合わせの4号炉の燃料棒取り出しが始まり、今後長期間行なわれます。神奈川県は全国的に見れば沖縄につぐ第二の基地県、横須賀市内には民間の核燃料の製造工場もあります。自治体として国に追随しないで独自の判断ができることはやっていくべき。防災安全部の所見は、「放射性物質災害対策は環境汚染対策に含まれる」というものです。今後、基本計画を踏まえた実施計画がどのような展開になるかしっかり見ていきたいと思います。