災害時要支援者の避難

避難マップの説明を聞く参加者

  210日、鎌倉芸術館集会室で講演会「要支援者の避難~災害時の避難生活を考える」が開催されました。主催は、鎌倉市地域災害弱者防災支援連絡会議。福祉にかかわる方たち、自治会・町内会、地域防災拠点の担い手の皆さんで会場は満席でした。
 講演①避難所生活において身体機能を低下させないための生活環境の工夫と予防
 講演②東日本震災で知る要支援者の避難の実際
 講演③鎌倉市避難マップの使い方について 
3本立てで、①は理学療法の専門家、②は石巻市で避難所の運営に関わった障がい者福祉の専門家、③は「鎌倉市福祉施設・地域活動支援センター避難マップ」(201312月)の製作者によるお話でした。

 折りたたむとA5サイズになる避難マップの片面は、福祉避難所(現在5カ所)、障害者緊急受入れ拠点施設(現在5カ所)、避難所(市立小中学校)などの拠点が記載された鎌倉市域の地図。もう一方の面には、「障害別の避難所におけるニーズと配慮」、避難者が自分の身体の状況などを指さしで知らせることができる絵を配した「コミュニケーションボード」、避難者の個々の情報を記しておく「要支援者の特性情報カード」などが掲載されています。東日本大震災の避難所で見えてきた問題点を参考に、避難への備えや避難時の意思疎通に役立つように工夫されたとのことです。

 講演の後、昨年2月に市と協定を結んで福祉避難所と位置づけられた県立鎌倉養護学校の総括教諭の先生から、現状と課題について報告がありました。同校では、122日に避難所の運営についての実動訓練が行なわれていますが、災害弱者の定義の共有化や、受入れ対象者と受入れプロセスの明確化などは、課題であるとのことです。
 参加者から、鎌倉市の状況は総体的に厳しい、との意見があったのに対し、②の講演で石巻市から来てくださった神童みえ子さんが「対処方法を1つと決めてはダメ、いろいろな方法を考えておくことが大事」と答えていらしたのが印象的でした。