鎌倉市消防本部・高機能消防指令センターを見学しました
4月1日に、鎌倉市の消防本部機能(消防総務課、警防救急課、指令情報課、予防課)が、海に近い鎌倉消防署から津波被害のリスクがない大船消防署に移転します。大船消防署への本部機能移転の必要性は、神奈川ネットがかねてから訴えてきたものです。国により、全国の自治体の消防は、2016年5月末までに消防救急無線システムをアナログからデジタル方式に切り替えるとされており、鎌倉市では本部機能の移転にあわせて、デジタル化を行いました。昨夏から行われていた改修工事で、大船消防署3階にデジタル化に対応した高機能消防指令センターが整備され、屋上に高さ約22メートルの通信塔が設置されました。
4月4、5日に一般内覧会が予定されていますが、一足早い3月24日、市議会の総務常任委員会を中心としたメンバーで、消防本部を視察しました。
初めに、1階のヤードで、消防車両に搭載された、指令を受ける車両端末(ディスプレイ)等を見せてもらいました。車両位置・水利・画像などのデータ伝送が可能となって機動力の向上が図られているとのことです。
続いて3階の高機能消防指令センターへ。大型ディスプレイが設置された壁面に向かって指令台が並ぶ一画と会議スペース等が一続きのフロアに設置され、コンパクトながら機能面を重視し、圧迫感のないレイアウトに工夫されていると感じました。指令台は、通常3画面で運用していますが、大地震や台風なので通報が多発した場合は1台当たり2席体制にして8席、最大9事案に同時に対応できます。鎌倉署にあった本部機能では4事案対応だったので大幅に増強されました。
説明を受けた様々な機能の一つに、現場映像情報伝達装置がありました。火災現場等に出動した消防隊員が着装したカメラで現場の映像を本部に送信するものです。3月22日の未明に起きた北鎌倉・明月荘の火災の現場映像を大型ディスプレイで見ましたが、必死の消火活動でも火勢が衰えない状況の映像は衝撃的でした。ボランティアの輪が広がって手入れが進められていた趣のある建物と庭。昨年4月に訪ねた折のことは、このサイトの記事でも報告しました(2014年4月13日付 北鎌倉明月荘の春)。原因は調査中とのことですが、全焼したことは、本当に残念です。
常に緊張感が求められる消防職員の職務の大変さに敬意を表します。また、消防の高機能化は目覚ましいものです。それらの一端を見せてもらいましたが、同時に防火、災害の未然防止・減災の重要性についても考えさせられました。