希望の牧場・ふくしま からの訴え
福島第一原発から約14kmの浪江町と南相馬市の境にある「希望の牧場・ふくしま」。事故後に警戒区域内の家畜が餓死、または殺処分される中、生き残った黒毛和牛(当初は約1000頭、現在は約300頭)を保護・飼育しています。
同牧場代表の畜産農家、吉沢正巳さんは牧場の仕事のかたわら各地を行脚して、希望の牧場、そして福島の現状を伝える活動をしています。鎌倉へは昨年9月にも来られていますが、4月17日、市民グループの招きで再訪、鎌倉駅東口で街頭演説を行いました。
吉沢さんら飼育する黒毛和牛の一部には皮膚に原因不明の白斑が出現しています。その衝撃的な写真が、原発事故後間もない頃の生々しい写真とともに掲げられ、昼時に鎌倉駅前を行きかう多くの市民、観光客が、吉沢さんの訴えに驚きつつも耳を傾けていました。
原発をどうするかということは、命をどう扱うのかということ。福島に起こったことは、鎌倉にも起こりうる。原発事故がアンダーコントロールであるなど全くあり得ない話、我々自身が(国の)アンダーコントロールにならないようにしなければ、再び事故は起こる…。この現実を直視しているのか、と鋭く問いかけられた思いでした。