空き家を地域の資源と捉えた世田谷区の取組み

地域共生のいえ「COS下北沢」は、小規模保育、配食べサービスなどの活動拠点

地域共生のいえ「読書空間みかも」

79日、神奈川ネットのメンバー、空き家の利活用や地域の拠点づくりに関心を持つ市民とともに、下北沢の一般財団法人「世田谷トラストまちづくり」と「地域共生のいえ」2箇所(下北沢、自由が丘)を視察しました。
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世田谷区は、区内にある空き家等(空き家、空室、空き部屋)を地域資源と捉え、空き家等の地域貢献活用を目的とした相談窓口を20137月に開設しました。窓口業務は、「トラストまちづくり」が担い、地域貢献活用に提供できる空き家等のオーナーと利用団体とのマッチングに取組んでいます。
地域貢献活用モデル創出のために「世田谷らしい空き家等の地域貢献活用モデル事業」の公募も行い、採用された事業には、1モデルあたり最大200万円の初期費用の助成を行っています(年間予算600万円)。オーナーを対象としたモデル事例の見学会や個別相談会などの出張相談会も行って、積極的な事業展開をはかっています。

 世田谷区では、空き家や空き室を地域の居場所にする「地域共生のいえ」づくりも進められています。子どもたちの地域の居場所、高齢者や障がい者の暮らしを支える場など、現在区内に17か所あり、こちらも「トラストまちづくり」が、建物オーナーの相談に乗り、開設を支援する働きを担っています。

地域貢献活用に結びつく空き家は全体から見れば限られた数ではあります。しかし、住民主体によるまちづくりを支援する「トラストまちづくり」の活動は、空き家等のオーナーに対して空き家の新たな価値を例示するという意味で、その影響力は大きいと感じました。