どうする?予防接種~小児科医 山田真さんに聞く
2月28日、ネット鎌倉主催で、予防接種についての学習会「どうする?予防接種~小児科医 山田真さんに聞く」を開きました。小さい子どものいる若いママ、パパを中心に大人の参加者は36名(加えて赤ちゃんと幼児)で、山田先生のお話に熱心に耳を傾けました。
常在菌などによる「恐くない病気」に対してもワクチンで対処するようになった結果、乳幼児の接種スケジュールは過密化し、複数種ワクチンの同時接種も推奨されています。ワクチンで防げる病気は全てワクチンで防ごうとする米国のやり方に追随しているとも言えますが、その米国では、医療費削減が至上命題で、治療にかかる経費よりもワクチンの経費の方が安ければ、対処法として躊躇なくワクチンが選択されています。そうした傾向に批判的な山田先生が、それでも接種しておいてよいと考えるのは、四種混合(三種混合+不活化ポリオ)と麻疹・風疹にとどまる、とのことでした。
ワクチンによってできた人工の免疫の持続期間はせいぜい10年で、病気にかかることで獲得した免疫のようには長続きしません。また、ワクチンは、抗体そのものではなく抗体を作る「種火」を体内に仕込むものであり、その病気の自然な流行が「種火」に息を吹き込むことになるので、予防接種をしない子が一定数いることはその社会にとっては有難いことなのだ、という免疫についてのお話も、興味深く伺いました。
若い親御さんからは、予防接種を受けさせないことへの周囲からの圧力に悩む発言が複数ありました。個々の接種に当たっては重圧に受けとめないでもらえれば…と願うと同時に、周囲(医療機関、行政も)は親御さんの判断を尊重してほしいと思います。予防接種のプラス面だけでなく、マイナス面についての共通認識が広がる必要性も痛感します。