警鐘としたい熊本地震

昨夜(4月14日)発生した熊本地震の被害状況が刻々と明らかになっています。東日本大震災以来の震度7の地震。大規模の余震が続き、多くの住民が不安な時間を過ごされていることでしょう。余震の終息と二次被害が生じないこと、早期の復旧を祈るばかりです。

東日本大震災は、震源域が大変広範囲にわたる海溝型地震でしたが、熊本地震は、九州で最長の布田川・日奈久断層周辺の活断層の「横ずれ」によるものと見られるそうです。震源が浅く、震源に近い益城町、熊本市の一部、玉名市などでは大きな揺れによる深刻な被害が生じました。神奈川県内にも、神縄・国府津-松田断層帯、三浦半島北断層群、三浦半島南断層群、伊勢原断層、秦野断層、渋沢断層が分布しており、関東地方の中でも活断層の密度が高いと言われています。最も活動度の高い神縄・国府津-松田断層帯が相模湾内のプレート境界につながっていると考えられるのも懸念材料です。

空撮等の映像を見て痛感するのは、家屋や建造物の耐震性確保と急傾斜地等の崖崩れ防止対策がいかに重要かということです。鎌倉市は2016年度、国の方針に沿って、避難路沿道における一定の高さ以上の建築物の耐震診断費用の助成を新規に行います(対象エリアがかなり限定されています)。この事業に限らず、家屋・建造物の耐震補強の後押しと崖崩れ防止対策は急務と位置づけ、積極的に進めて行かなくてはならないと考えます。

熊本地震では、家屋や建造物の耐震の重要性とともに、地盤の強弱と横ずれを起こした活断層との位置関係による被害状況の違いが明らかになっていくものと思われます。稼働中の川内原発(鹿児島県薩摩川内市)に地震の影響はなかったと公表されていますが、国内の原発の多くが活断層の近くに立地している現実は、改めて直視されなくてはなりません。どんなに「安全基準」を作り上げても人智を超えた災害は生ずるものです。余震の多さから、熊本地震の活断層の動きの複雑さが指摘されていることを警鐘と受け止めるべきではないでしょうか。