個人寄付とボランティアの力で市民の議席を確保してきたネットへの誹謗中傷は看過できない

市役所新庁舎の深沢での整備に賛成の考えを持つ会派・議員を執拗に攻撃している岩田薫氏が3月下旬に行った保坂への刑事告発は実質的に「空振り」に終わりました。しかし、氏はこれに懲りず、4月26日に別の刑事告発を行いました。

今度の告発は、2021年の鎌倉市議会議員選挙の告示日4月18日の約半月前に発行されたタウンニュース(4月2日号)に掲載された神奈川ネットワーク運動・鎌倉(以下、ネット鎌倉)の意見広告の掲載料124,850円がネット鎌倉から保坂への寄付に当たるのに、保坂後援会の市選管への収支報告に寄付として記載していないのは公職選挙法違反であるとの嫌疑で、保坂と会計責任者を被疑者とするものです。

ネット鎌倉の活動を伝える意見広告
「神奈川ネットワーク運動・鎌倉 生活者政治を貫いて36年」と題したこのタウンニュースの記事(意見広告)は、ネット鎌倉が地域政党として地域や生活の中の課題を解決するために、生活者の視点で政策提案を行ってきたことをアピールするものです。
ネット鎌倉の政治活動報告記事ですから、ネット鎌倉が掲載料を支出し、県選管に提出する政治団体収支報告書に記載しています。

ですので、掲載料をネット鎌倉が支出したことが保坂への寄付に当たるという氏の主張は全く不可解です。また、この意見広告には、ネット鎌倉の副代表の井上みかこさん(現市議)の名前・写真が一緒に載っているにもかかわらず、保坂だけを取上げて寄付にあたるとしているところからも、氏の作意は明らかです。

告発人の勘違いか、故意の見過ごしか?!
告発状記載の「告発事実」は、上記ネット鎌倉の意見広告掲載料支出に関することなのですが、岩田氏は「告発の経緯」のところで、神奈川ネットとネット鎌倉が県選管に提出した令和3年度の政治団体収支報告書を見ると、意見広告掲載料金を含め、市議選の費用を地域政党の本部が負担していたことがわかる 市議選当選以降に保坂が神奈川ネットに行った個人寄付は、選挙対策費・広告掲載料に対する「返戻」である と述べています。

これは、タウンニュースの記事に関して井上さんに触れなかったことと同様に、井上さんが神奈川ネットの公認候補であったことを意図的に考慮から外した創作シナリオです(善意に解すれば、「勘違い」)。

氏が言及している市議選前の時期の神奈川ネットからネット鎌倉への寄付は、公認候補の井上さんの選挙活動に係る助成とネット鎌倉への活動助成金(選挙関係ではなく通常の活動ㇸの助成)です。複雑なからくりなどない、単純な話なのです。

意図的に切り取られた情報は他にもあります。
氏は、収支報告書類を複数年にわたって調べていらっしゃるようなので、保坂が2021年市議選のあとに限らず、2013年5月に市議になって以来、ずっと神奈川ネットに個人寄付を行っていることは把握しているはずです。しかるに、2021年市議選の後の時期の寄付実績だけを切り取って「返戻」だとしています。全くの的外れです。

そもそも、市議選に関して神奈川ネットから財政的な支援を何も受けていないのに「返戻」などいうことをする訳がありません!

神奈川ネットの情報紙とネット鎌倉のまちづくりレポートのバックナンバー

 

ネット鎌倉は地域に根差した活動をし、同時に県内地方議会で女性議員を増やすための神奈川ネットの活動を支えてきた
神奈川ネットもネット鎌倉も1980年代半ばに相次いで発足した地域政党(選管への届出の分類では「その他の政治団体」)です。ネット鎌倉のような自治体単位の政治団体(地域ネット)の横のネットワークが神奈川ネットです。

国政政党のような政党交付金(2024年度は、税金から9党に315億円!)や政治資金パーティーによる資金集めなどとは全く無関係な世界で約40年活動を続けています。
まだまだ女性の地方議員が少なかった時代に、「議員になりたい」人ではなく、周りの仲間が「議員にさせたい」と思う人に議員になってもらうため、候補となる女性が選挙資金を用意しなくても選挙に挑戦できる仕組みを作り、運用してきました。

地域ネットに所属する議員が神奈川ネットに個人寄付をするのは、自分の選挙のため(岩田氏が言うところの「返戻」とか、次の選挙のための積み立て)ではなく、議員がいる地域ネットも、現状で議員がいない地域ネットも活動を続け、仲間の議席を維持し増やしていく原資とするためです。

私は、神奈川ネットのこの仕組みを支持し、神奈川県が全国的に見ても女性の地方議員の比率が高いことの初期におけるきっかけを作ったのは神奈川ネットだと自負しているので、2021年市議選で公認されなかった後も神奈川ネットへの個人寄付を継続しました(それを「返戻」呼ばわりされたことに心底驚いています)。

3期目になるという理由で公認しなかったことは神奈川ネットの判断ミスだったと思っていますが、そのことと寄付の継続とは別問題です。

ネット憲章違反という歪曲
2021年の鎌倉市議選に際し、ネット鎌倉は、「『議員は、原則として2期8年で交代する』という神奈川ネットの政治姿勢は、議員を生業とせず、代わりあうことで政治への参加を広げ、自治する市民の輪を広げるという趣旨であって、地域ネットの事情に応じて、もっと柔軟にとらえる方向に進むべきだ」という問題提起をしました。

岩田氏は、「3期目の選挙に臨んだことは神奈川ネットのネット憲章への違反」などと書いていますが、ネット憲章は遵守とか違反とかいうものではなく、自らの拠って立つところと目指すものを明らかにした宣言です。そして、ネット鎌倉が前回市議選でくだした決断とネット憲章との間に齟齬はありません。

市議選の翌年2022年の5月に至り、ネット鎌倉の主張は神奈川ネットに大筋で受け入れられて今日に至っています。

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以上、述べてきたように、岩田氏による刑事告発の意図は、自民党の裏金の還流の構図とイメージ的に重複するように極めて作為的に話をつくり、保坂と神奈川ネットを貶めようと謀ったものに他なりません。