条例案否決に至った原点は市のミスリード(9月議会振り返り その3)

9月議会に市長から提案された議案第55号「私たちのまち鎌倉のことに関心を持ち、自分たちでより良くしていこうという思いを共有して行動するための条例」案は、付託先の観光厚生常任委員会で9月13日に否決(賛成2人、反対3人)となった後、9月29日の最終本会議において否決(賛成9人、反対15人、退席1人)されました。

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非常に長い名称で提案されたこの条例案は、(仮称)市民活動推進条例として昨年度から市民参加の市民活動推進条例検討会で議論されてきたものです。
私は、議案が上程された9月11日の本会議で議案関連質問を行い、13日の観光厚生常任委員会では番外で質問をし、29日の最終本会議で反対討論を行いました。
この条例については、これまでに何度も軌道修正を提案してきました。
もとより、市民活動推進条例をつくることには賛成です。
9月議会においても、条例案を潰すことを目指していたのではなく、議論を深めることの必要性を訴えました。

松尾市長のブログを見ると、
「市としては、これまで議会に対して、平成29年2月議会、6月議会で、報告を行い、丁寧に説明を重ねてきたところですが、結果として、十分な議会の理解を得ることができず、この多くの市民の想いも活かされることなく本会議で否決となりましたこと、本当に残念でなりません。」
とあります。
市(市長)が市民と手を取り合って取り組んできた念願の条例案を、無理解な議会が退けたことを嘆く内容ですが、一面だけを強調した言い訳に聞こえます。

最終本会議の反対討論では、次のように述べました。
本条例案の策定を始めるにあたり、市民活動部長は、作ろうとしている条例は理念条例である、市民参加型の策定のプロセスにこだわる、とおっしゃっていました。
理念条例であると開き直られたのは、条例に中身をもたせる、実態をともなわせるようにしたら何年かかるかわからないということを熟知した上での「逃げ」だったのではないでしょうか。
これは現在の偽らざる所感です。

市民活動を行う市民がエンパワーされる条例、実際に何らかの効果が生じることが読みとれる条例ではなく、市民のまちづくりへの参画の想いを綴った条例というコンセプトを市民活動推進条例検討会に提示したのは市です。
条例案否決という結果になったのは、議会の「無理解」のためではなく、市長のミスリードによるものであったと思います。

私がかねてから必要性を訴えている公文書管理条例については、文書管理の実態を整えないうちは条例化できないと言っている鎌倉市です。
市民活動推進条例については、具体的な中身を盛り込むのは条例制定後でよいと言うのでは、あまりに身勝手です。

市民活動部においては、じっくりと検討を重ね、市民にとって実際に役立つ条例案にして出し直してほしいと思います。

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◆ 議案第55号 条例案 (下記 議案集のp26~29)
http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/soumu/documents/h29-9teireikaigi.pdf

◆ 9月1日議案関連質問 私たちのまち…行動するための条例・議案関連質問

◆ 9月29日 議案第55号反対討論 議案第55号 反対討論2017.9.29