週明けの鎌倉市の保育園・幼稚園・学童保育の状況&緊急事態宣言

3月4日、11時40分から市議会の災害対策会議が行われ、同日10時から開催された鎌倉市の「新型コロナウィルス対策本部会議」(第6回)で話された内容が報告がされ、国からの一斉休校要請後の鎌倉市の状況の一端が明らかになりました。

保育園
鎌倉市は、市立保育園、私立保育園ともに「原則開園。但し、感染の拡大を防ぎ、在園児と家族の健康を守るため、できる限り家庭での保育をお願いする」という立場を取っています。
3月3日の公立保育園5園の登園者は、園児総数581人中389人で、登園率は67%。前日3月2日の72%より若干下がったとの報告でした。
なお、公立保育園以外の状況は報告されませんでした。
母親が下の子どもの産休中で、自宅で上の子どもを見られる場合などは、登園を見合わせていただければよいですが、「できる限り家庭での保育を」という市からの要請に応えようとして無理が生じることがないようにしていただきたいと思います。

■幼稚園
私立幼稚園は、個々の園の判断で開園しているところと休園のところがあります。
現在、19園のうち10園が開園しており、
・自由登園(各家庭の判断) 3園
・預かり保育のみ 4園
・午前中のみ 1園
・通常どおり 2園 という内訳です。

■子どもの家(学童保育)
・市内16か所すべてで実施。
・利用者数(全体)は3月2日583人、3月3日465人。
(参考までに、2020年度の子どもの家の入所予定数は1,235人)
・学校施設の開放については、教育委員会と調整中であるが、まずは図書室を開放する方向、非常勤嘱託員を配置する方向を検討している。
《次の2項は3月3日災対会議での報告》
・子どもの家の専用区画の面積基準は、1.65㎡/人だが、過密状況を避けて、4.0㎡/人になるようにする。
・子どもの家に利用登録していなくても、子どもの家の利用資格を満たしている場合は、臨時利用ができるようにはかる。

■留守番をする子どもの安全
小学校4年生くらいから上の子ども達は、日中親御さんが不在でも家で過ごす場合が多いと思います。
子どもの事故防止の活動の第一人者である小児科医の山中龍宏先生が、「
一斉休校~留守番をする子どもの安全を守るために知っておきたいこと」を発信されています。
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以上、子ども関連のことを述べましたが、目下の国の動向で大変気になるのは、首相による「緊急事態」宣言に向けた動きです。
特措法の対象疾病に新型コロナを加えて緊急事態宣言?
政府は、2013年の民主党政権下でつくられた新型インフルエンザ等対策特別措置法を改正し、対象疾病に新型コロナウィルス感染症を加えようとしています。
野党の協力を取り付けて改正法を来週中に成立させ、同法施行後まだ1度も行われていない緊急事態宣言を行うことを目指しています。

首相は、全国的なスポーツ・文化イベントの自粛や全国一斉臨時休校の要請をしましたが、法的根拠がないまま独断で行ったことは、大きな問題です。
「私が責任を取る」と弁解して済まされることではありません。

①首相の判断には(あるいは行政には)常に法的根拠が必要であるということ。
②感染拡大防止策も法的根拠に基づいて講じられなくてはならないこと。
緊急事態宣言を出すことを目指し新型インフルエンザ等対策特別措置法を改正すること。
新型コロナウィルス感染症が、緊急事態宣言を行って今以上に市民生活や経済活動の制限をしないと感染拡大防止ができない疾病であること。

①と②についてはYesですが、③④についてはYesとは言いかねます。

新型コロナウィルスの疾病としての脅威の度合い(参照)を考えた場合、「緊急事態宣言を出すことを目指した法改正」は肯定できません。
緊急事態宣言をすれば、住民への外出自粛要請や施設の使用停止指示など様々な私権の制限が可能になります。社会・経済へのさらなる影響も心配です。
その宣言を、法的根拠がない要請を行って「私が責任を取る」と開きなおった、事態に対して最も冷静さを欠いている首相が行えば、不必要で過剰な私権の制限が行われるおそれは大きいと考えざるを得ません。
政府は、来週10日には特措法改正案を国会に提出するようです。国会での徹底的に議論をしてほしいと思います。
数の論理で改正案は通ってしまう可能性が大きいのかもしれませんが、少なくとも運用面で暴走に歯止めをかけることができるよう議論を尽くすべきです。

ロイター通信の配信記事より
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は3日、新型コロナウイルス(COVID─19)感染による致死率がこれまでのところ約3.4%となっていることを明らかにした。
季節性インフルエンザの1%未満を大きく上回る。(中略)季節性インフルエンザウイルスより感染力は弱く、症状が出ていない人から感染しないように見えるが(感染した場合)季節性インフルエンザより症状は重くなる。ワクチンや治療薬はまだ開発されていないが、封じ込めは可能だと述べた。

※追記 本稿は3月4日付の記事で、ロイター通信の配信記事は3月3日のWHO事務局長の発言をもとにしたものです。
その後の世界的な感染拡大の推移により、無症状の感染者が多いことがウイルスの拡散につながり、重篤な患者の発生と医療崩壊のリスク、致死率の上昇を招いていることが明らかになりました。
緊急事態宣言については、「感染拡大防止と医療崩壊の防止を目的とした新型インフルエンザ等対策特別措置法(新型コロナ特措法)の緊急事態宣言では、外出自粛や休業、都市封鎖などについて強制力を持った措置が取れないから不十分だ」という声が高まることも予想されます。しかし、今後考えていかなくてはならないのは、強権的な規制を可能にすることよりも、予防薬のない感染症の蔓延を想定した医療体制や外出自粛・休業を可能にする生活保障の仕組みの整備であると考えます。