梅雨明けの鎌倉の海岸
関東地方がようやく梅雨明けし、朝方から気温がぐんぐん上昇した8月1日、海水浴場が開設されない鎌倉の海岸(由比ガ浜、材木座)の様子を見てきました。
子どもの事故防止に取り組むNPO法人Safe Kids Japanの太田由紀枝さんに同行していただきました。
マリンスポーツ禁止エリア
今夏の鎌倉の3海岸(上記2か所と腰越)には、海水浴場のエリアを示すコースロープ・ブイの設置はありません。代りに行われているエリア分けは、マリンスポーツ以外で海に入る人とマリンスポーツとの接触事故を防ぐための「マリンスポーツ禁止エリア」と「マリンスポーツエリア」、「漁船出入りエリア」です。比較的潮流が安定しているエリアをコースロープとブイにより「マリンスポーツ禁止エリア」とし、海岸事故未然防止員を配置しています。
「マリンスポーツ禁止エリア」=遊泳可能エリア、海岸事故未然防止員=ライフガードと解釈できれば話は簡単ですが、「海水浴場が開設されていません。十分な安全対策が確保されていないため遊泳はお控えください」というのが今夏の海岸のルールなので、そのような解釈はできないことになっています(写真の看板参照)。
海岸を巡回しているマナーアップ推進員(市委託の警備員)の人たちにも、県委託の警備員の人たちにも尋ねましたが、マリンスポーツエリアで泳いでいる人たちに「マリンスポーツ禁止エリアに移動して泳いでください」という注意はできない、とのことでした。
太田さんは、「看板が目立たないし、書かれている趣旨が伝わるかどうか」と首をかしげていました。
8月1日(土)の状況
好天に恵まれた土曜日で、それまでの長梅雨の期間からは一転して訪問客が増えたと推測しますが、それでも一望できる範囲の人数を本気で数えようと思えば数えられるくらいの人出でした。若い人のグループはおらず、家族連れが目立ち、泳いでいるのは地元の人のようでした。
この日の材木座海岸では、鎌倉ライフガードによる、子ども達が安全に海に親しむプログラム、KAMAKURA Summer Surf Camp が開催されており、元気いっぱいの子ども達の姿を見ることができました。
例年ならライフガードの監視所はプレハブ造りですが、今年の海岸事故未然防止員の拠点はテントです。巡回の警備員の人たちも炎天下に延々と歩き続けるのは厳しい業務です。
苦肉の策の今夏、ずっと無事に行きますように
海は地域の住民が夏を満喫する場所であり、特に子どもたちにとっては大切な遊び場です。
「感染拡大防止が求められる中、海岸から人を締め出すということではない、しかし、過密は何としても防ぐ」「海水浴場開設時のような安全対策の人の配置はできない、しかし、来訪者の安全は図らなくてはならない」という、相反することを両立させるのは大変です。
この日程度の人出なら、「マリンスポーツ禁止エリア」の海岸事故未然防止員の人たちと巡回の警備員で目が行き届きそうでした。翌日の日曜、そして最も人出が予想される8月8~10日の3連休に過密にならないことを願うばかりです。