緊急事態宣言を受けて

1月7日、新型コロナウイルス感染の急拡大を受け、政府は首都圏の1都3県に緊急事態宣言を発出しました。

昨年の緊急事態宣言の解除時、多くの専門家が「感染拡大の波は今後何度も到来する。この感染症が世界にとって脅威でなくなるまでの間、感染が下火になれば経済・社会活動を平常時に戻し、感染が広がれば活動を規制・自粛することを繰り返すしかない」と指摘していました。

全くそのとおりであって、感染が再び広がることは予測されていました。
しかし、ここまで感染者数が急増して医療体制が危機的な状況になったのは、やはりこの間の対応に問題があったと考えざるを得ません。

生活保障は必要ですが、一律のバラマキではなく、困窮した人に傾注するべきでしたし、経済対策も、広く薄くではなく、コロナ禍のしわ寄せがいった業種・職種に手厚くすると同時に、消費活動が感染予防に相反する形とならないようにするべきでした。その意味で消費活性化策よりも事業者への直接給付が必要な状況もあったと思います。

そして何よりも、政府がこの間医療の確保のために注ぎこんだ予算は、経済対策に使った予算に比べて少なすぎました。医療機関と保健所機能、検査体制の強化にお金を回し、感染拡大を抑える、あるいは感染が広がっても医療体制に余裕があるようにすることが、結果的に経済活動の回復につながったのに、そうはなりませんでした。

今、直面しているのは、病床と保健所機能のひっ迫、コロナ禍のしわ寄せがいった業種・職種の事業者が既に極限まで疲弊していること。
政府や自治体の長が、対応のまずさの批判をかわし人気の低下をふせぐために一律のバラマキ策をする余裕はもはやありません。
何が有効な施策なのか、問い続けたいと思います。