梅雨入り近い北鎌倉台峯を歩く
北鎌倉台峯トラストが毎月第3日曜日に主催している台峯の「山歩き」(観察会)に、井上三華子さんと一緒に参加しました。
小雨がぱらつくあいにくの天気でしたが、雨に潤う緑も気持ちを和らげるものでした。
今年はエゴノキの花がよくつく年とのことで、散策路から見上げると高い枝に白い小花、足元にも散った小花が一面に見られました。他にも初夏に咲く様々な白い花を見ました。
今年度中の全面開園が予定される台峯
台峯の自然を大規模な宅地造成計画から守るために1998年に始まった市民によるトラスト運動。鎌倉市は同団体をはじめとした多くの市民の声に後押しされて、台峯を緑地として保全することを2004年に決定、長い年月をかけて土地を買い上げてきました。
ため池の堤体改修や山ノ内配水池側の南管理事務所の整備等が完了し、昨年4月には都市公園として部分開園、2021年度中には山崎小学校側のエリアの整備を経て供用開始(全面開園)が予定されています。
長年にわたる保全活動と業者による管理とのすみわけ
北鎌倉台峯トラストは、22年間にわたって定期的に「山の手入れ」と「山歩き」を行っていますが、昨年は、コロナ禍で半年近い自粛期間がありました。距離を保つなどの配慮事項を守って再開し、今回の山歩きで271回を数えるとのことでした。
現在、台峯の散策路の維持・管理は、市が指定した管理業者が行っていますが、台峯の自然環境の保全活動は、複数の市民グループが長年関わり続けています。
トラストの方たちは、手仕事による在来の植生・多様な植生の保護、湿地や水路沿いの手入れなどを意識して行い、市民ボランティアならではの役割を果たすことに努めているそうです。昨日の山の手入れでは、外来種のセイタカアワダチソウを根元から抜き取る作業に精を出されたとのこと。
鎌倉市は緑の保全の方向性として、開発から緑をまもる「量の確保」から、保全した緑の状態を適切に維持する「質の確保」へと力点を移しています。
大きな課題ですが、多様な取組みの可能性を今後はますます考えていかなくてはならないと思います。