鎌倉市スマートシティ市民対話が開かれます
スマートシティ市民対話
8月22日(日)に第1回鎌倉版「スマートシティ」市民対話がオンラインで開催されます。先頃参加申込みが締め切られ、定員25人を超える申し込みがあっため抽選で参加者が決まりました。
少ない定員枠の1人分を議員が占めることは憚られたので申込みを見送りましたが、どのような展開になるか注目しています。
市民対話は「これから本格化する鎌倉版スマートシティの目指す姿をテーマに、市民の皆さんと共に考え、共に創るワークショップ」とのことです。2回目は10月10日に予定されており、同じ人が2回参加します。(ちなみに鎌倉市は本庁舎等整備についても、今年度固定メンバーによる市民対話を続けています。)
市は、2021年度中の「スマートシティ構想」策定を目指しており、このスケジュール※は、国家戦略特区スーパーシティに区域指定されるかどうかには左右されないと説明しています(※1末尾「策定スケジュール」参照)。
市民アンケ―トも実施されているが…
その一方で市は、無作為抽出で選んだ市民4000人を対象にした「スマートシティの推進に関する意識・価値観調査」を (株)ドリームインキュベータ―への委託により実施しています。
調査結果は、6月末頃を目途に市のHPで公表するとの案内でしたが、7月14日付で選択式設問のみを集計した「結果速報」が載るにとどまっています(※2)。記述式回答を含めて集計・分析を行った報告書の公表は10月頃になるそうです。
※2sokuho.pdf (city.kamakura.kanagawa.jp)
設問は77問もあります。
問21では、「鎌倉市がスマートシティを推進するにあたってICTを活用してほしい分野・日々課題を感じている分野」を「1つだけ」選択するように求めています。市は、スマートシティを「人にやさしいテクノロジーの活用によって本市の社会課題を解決し共生社会を築いていくことを目指すもの」と位置付けているので、この設問の回答の分析が一番気になるところです。
社会のデジタル化の進行によって「起こりうること」についての認識を尋ねる問20も重要です(下記参照)。
「犯罪に対する監視技術が進歩し、安全な社会になる」という項目を掲げるのであれば、「個人情報やプライバシーの権利が脅かされる」という項目を2つに分け、「電磁情報の収集により個人情報やプライバシーの権利が脅かされる」と共に「監視技術の進歩で市民のプライバシーが侵害される」も掲げるのがフェアであると思います。
内閣府のスマートシティ・ガイドブック
6月議会では、内閣府がまとめたスマートシティガイドブックを取上げ、国がここまでつくりこんだ雛型を示してくると、国家戦略特区スーパーシティの違いは、規制緩和の強弱に過ぎなくなる、と指摘しました。
内閣府のホームページで、そのスマートシティ・ガイドブック(※3)を読み直したところ、参考資料に目が留まりました。
※3スマートシティ – Society 5.0 – 科学技術政策 – 内閣府 (cao.go.jp)
ここに掲載されている【別冊2】スマートシティに関連する施策・参考資料には、「第5世代移動通信システム(5G)はスマートシティサービスを支える重要な基盤」というページがあります。
下の方に「⇒ 自宅部屋内の約100個の端末・センサーがネットに接続 (LTE(4G)ではスマホ、PCなど数個)」と書かれています。
この際5Gの是非はひとまずおいても、「自宅部屋内の約100個の端末・センサーがネットに接続」されている生活が、便利で快適なのでしょうか。大きく譲って便利で快適であったとしても、人間の身体機能や心の状態にとって良好な生活なのでしょうか。
この疑問が、「スマートシティっていいね!」と単純に思えないことの根幹にあることを改めて自覚しました。
政策創造課は昨年度、鎌倉版スマートシティで活用するスマート技術は、必ずしも最先端技術だけを意味しない(技術駆動型前提ではない)という趣旨の発言をしています。
今後の展開において、その真意が問われます。
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※1 スマートシテイ構想策定スケジュール