本庁舎跡地の基本構想などについて質問

9月議会が昨日からスタート、今日8日に一般質問を行いました。
今回は、▽養育費の確保支援 ▽土地利用調整制度の見直し状況 ▽本庁舎移転後の御成現在地の利活用 について聞きました。
週明けには、市議会のホームページに中継録画がアップされます。

養育費の確保支援
シングルマザーの家庭の生計が厳しい背景には、半分以上がパート・アルバイト、派遣社員などの形態で働かざるをえない就労の問題とともに、養育費不払いの実態があります。
養育費が支払われているケースは全体の約4分の1しかありません。
今年4月、法務省は「子どもの養育費に関する取決めを公正証書にしたかどうかを確認するチェック欄を離婚届の様式に追加する」と表明しました。養育費に関する取決めを記した公正証書があれば、養育費の支払義務者が支払いを滞らせた場合、裁判を起こして判決等をとらなくとも強制執行の手続を行うことが可能となります。

鎌倉市は今年度、公正証書の作成を促すため、作成費用等の補助を予算化しました。新たに導入した補助制度なので、必要な人が利用できるように制度の周知を求めました。

土地利用調整制度の見直し状況
鎌倉市には、土地利用調整にかかる条例として、「まちづくり条例」「開発事業条例」「特定土地利用条例」 があります。
開発事業の動向が、かつての緑地や斜面地の開発から、既成市街地における再開発に変容していることなどを背景に、現在この3条例の見直しが行われています。

現行の「自主まちづくり計画(市内15地区で策定)」と「自主まちづくり協定(1地区が締結)」は、開発事業者との協議において法的拘束力が働くものとはなっておらず、届出・協議や開発事業条例の基準とするなどの実効性を伴う「新たな地区レベルのまちづくり計画」への移行が検討されています。

これまで、開発計画が明らかになった時には、良好な住環境の保全に向けた土地利用の誘導・調整は「手遅れ」になりがちでした。
そうさせないため、まちづくりに取り組む住民に対する行政の支援が適切に行われるようになってほしいものです。

「新たな地区レベルのまちづくり計画」には、住環境保全の従来型からの移行とともに、基本計画等による重点的なまちづくりの推進が想定されている新たな地区のケースも含まれ、見直しの議論は複雑ですが、キーワードとなっている「実効性」をどうやって確保するのか、今後とも見ていきたいと思います。
 

鎌倉市全体のまちづくりにおける「本庁舎跡地」の整備について
鎌倉市は、「深沢地区における本庁舎整備の基本計画」と「跡地となる御成町の現在地の利活用の基本構想」を策定中です。
本庁舎の深沢移転に反対する立場の方たちからすれば、基本計画・基本構想の中身について確認・議論することには、抵抗があるのかもしれません。しかし、確認すべきことを確認せず、基本計画や基本構想が形になった時になって、「そんなこと聞いていなかった」と言い立てるのは、議会として無責任だと考えます。

本庁舎は、このまま老朽化するのを放置していてよいとは思えず かといって現在地での建替えは土地の制約からして困難移転先とされている深沢地区は周辺の交通環境の改善が大きな課題ではあるものの、災害の危険度について市内全域の中で突出して高いわけではない―というのが基本的な認識です。

では、本庁舎の深沢移転に賛成なのか反対なのかと問われたら、「現状では、移転後に跡地となる御成の現在地に整備される施設次第だ」と答えます。

鎌倉地域、北鎌倉駅周辺地域の住民にとって本庁舎が移転することはとても大きなことです。そして、現在地はJR鎌倉駅から近く、市内のどこに住んでいる人にとってもアクセスがよい場所です。市は、「跡地整備が市民生活をより良いものにするという見通しを示せなければ、本庁舎移転についての理解は得られない」と認識するべきです。

本日の質問を通し、次のことを確認しました
野村総研跡地の利活用で採用した手法は「定期借地」である。本庁舎の整備および跡地の利活用における施設整備についても、官民連携(PPP)の手法を採用するが、どのような手法かはまだ決まっていない。

跡地利活用において、民間提案で施設整備を行う場合には、基本構想・基本計画の中で内容を具体化し、計画等の策定後に民間提案の公募を行う。

跡地利活用において、現在の庁舎を改修することを前提とするのか、建て替えを前提とするのかは、まだ決まっていない。

「改修するのか、建て替えるのかの判断は、建物の整備費用を負担する民間事業者の提案にゆだねるのではなく、市が決定すべきではないか」という問いかけに対しては、明確な回答はなかった。(追って中継録画で確認)

「公共機能と民間機能の面積比率については、民間提案の公募に先立って市が定めるのか」という問いかけに対する回答はよくわからなかった。(追って中継録画で確認)

「鎌倉市公的不動産利活用推進方針」の参考資料の中に、公共機能の床面積として4000㎡(民間機能の床面積の半分)という試算の数字が示されていたことに対して「小さすぎる」と指摘したが、「図書館約2,600㎡、生涯学習センターのホールとギャラリー機能で約700㎡、他の市民活動促進機能や一部配置する行政機能を加えて、合わせて4,000平米に収まる」という見解が示されたにとどまった。

市長は、跡地に整備する施設に市民対応の窓口機能などの行政機能を確保することは疎かにしていないとの答弁であったが、行政DXを念頭に置いている。

本庁舎整備の基本計画と跡地利活用の基本構想のパブリックコメントは今のところ12月に実施予定であり、それに合わせて説明会を開催する方向でいる。

結果として「利活用事業の枠組みは民間事業者次第ということには絶対ならない」という感触を持つには至りませんでした。整備の中身についても、「このような施設ができるのなら本庁舎がよそに移っても安心だ」と思えるようなものになるのか、まだ判断ができません。

公的不動産の利活用に関する官民連携の事業においては、市民や議会が蚊帳の外に置かれがちであるという問題意識をもって質問をしました。
議会においても、もっと議論をしなくてはならないと思います。

本庁舎移転の議論の中で思い出した総務常任委員会の行政視察。黒潮町役場の庁舎から街を見下ろす。(2018年10月 )

樹林を切り開いた高台に2018年1月に移転した黒潮町役場